【2024年4月秋田旅行|目次】
チェコ人と行く秋田 一日目 - ルコの甘味日記
チェコ人と行く秋田 二日目 - ルコの甘味日記
チェコ人と行く秋田 三日目 - ルコの甘味日記
チェコ人と行く秋田 四日目 - ルコの甘味日記
最終日の朝。
顔を洗っていると、おばあさまに「田んぼさ見だぐねか」とお誘いいただきました。「是非!」と申して友人に声をかけ、朝食前のお散歩に。
水田地帯と八郎潟の漁村

ちょうど田おこしの時期でした。あと二週間もすれば田植えをするのだそう。

友人の住むチェコは、国土の半分が農用地。
家庭菜園も一般的だそうです。この辺りのおうちによく見られる小さな畑を「まさにこういうの、うちにある!」と言っていました。
私よりずっと、農業が身近なのだと感じました。
友人が子供のころ訪れた農村地帯では、堆肥用の家畜小屋を管理している「糞尿屋さん」のようなお仕事があったそうです。
おばあさまによると、秋田でも昔は糞尿を堆肥に使っていたのだそう。しかし手間も臭いも大変なものですから、次第に使われなくなっていったとのことです。その後は糞尿以外の堆肥や化学肥料を使っており、近年は稲わらの利用が進んでいるとのことでした。

田んぼの周りには農業用水路が張り巡らされています。
水が流れていないのを不思議に思っておりますと、この辺りには十分な水が来ていないのだと教えていただきました。稲作の時期だけ隣町から水を買うので、それ以外の時期には水路に水が無いのだそうです。おばあさまがここに住み始めたときには既にそうだったと。
米作りの要といえるお水ですが、わざわざ買わなくてはならない農地もあるのですね。
帰り際、八郎潟の漁業のお話をお聞きしました。
かつての八郎潟では、シジミやお魚が大層とれ、漁師町が栄えていたこと。干拓後、それらがとれなくなった漁師さんたちは生活が立ち行かなくなり、一気に町の過疎化と高齢化が進んだこと。
国の米政策で進められた干拓事業について、おばあさまは「やらない方がいがったんだ」とおっしゃっていました。
伯母宅に戻り、朝ごはんです。

しらすごはんを美味しくいただきながら、干拓で犠牲になった町に思いを馳せました。
米どころの方々が自分たちで食べる分以上のお米を作ってくれているおかげで、私は毎日ごはんがいただけるのです。それはとても有難いことなのだと、改めて感じました。
寒風山
その後は、両親と合流して寒風山へ。

この写真の左端にある石碑は、五箇条の御誓文の記念碑『誓の御柱』です。
誓の御柱は五箇条の御誓文を象徴する記念碑である。(中略)日本国内に数基しか存在しない希少なものである。
角館でも幕末の資料を数多く展示しておられたのを思い出しました。

伯母一家とはここでお別れです。
三日間大変お世話になりました!また京都に来られる日を心待ちにしております。
少子化とこれからの日本
友人と両親のレンタカーに乗り込み、秋田市内を経由して空港へ。
初日に伺った『菓子舗榮太楼』さんの生菓子をどうしても持ち帰りたくて再訪しました。こちらについては、別の記事でご紹介しております。
空港までの道すがら、日本の少子化と人口減少について話しました。
友人は「日本は大好きだけれど、子供を育てるならチェコが良い」と言います。「衰退していく国で子育てするのは嫌だ」と。
「日本は子供が少ないことによって子育て環境が悪化し、さらに出生率の低下する負のループに入ってしまっている。自分の子供には、同世代がたくさんいて、経済も成長中で勢いのある環境で育って欲しい。」
日本の進むべき道は、二つに一つだと友人は話します。「あなたたちが大量の子供を産むか」「移民を受け入れるか」です。
私の周りの同世代女子は、過半数が「結婚はしても、子供は作らない」と言っているように思います。作るとしても一人だけ、という方が多い。これはチェコの「二、三人子供がいるのが普通」という感覚と大きく異なります。
私一人がたとえば十人の子宝に恵まれたとしても、人口減少を食い止めることはできません。
民族としての『日本人』を維持するには、私たち若者の意識が根本から変化する必要があります。しかし、「深く考えれば考えるほど、子供を作らないのが最適解」と主張する友人たちを説得できるだなんて、とてもとても思えません。さらに、この傾向はより若い世代にも続いていくだろうと思います。
そうこう言っている間に、暮らしが維持できないほどに労働力人口は減っていくでしょう。そうなると、外国から労働力を受け入れるしかありません。
ヨーロッパでは近年、移民・難民問題が深刻さを増しています。
大好きな日本の美しい景色、美味しい食べ物、にこやかで親切・穏やかな民族性(友人評)がこれからどうなってしまうのか、友人は本気で心配してくれていました。
空港でランチとお土産購入
最後に秋田名物を食べるべく、伺ったのは空港内の郷土料理レストラン。


「稲庭うどん」はコシのない軽やかな食感で、つるつるといただけました。わさびをたっぷり入れたお醤油ダレがよく合います。冷麺のタレを思い出すような、香り良い胡麻ダレといただくのも、また違った良さがありました。

そういえば「きりたんぽ」も「いぶりがっこ」も食べてない!と気づき、最後にいただきました。「きりたんぽ」が予想よりずっともっちもちで美味しかったです。


こちらは 「金萬」。空港の至る所で広告をお見かけするので気になり、一箱買ってまいりました。

鈴カステラのような生地の中に白あんが入っています。
薄焼きのカステラはやや固くドライな印象。あんこは滑らかであっさり、と思いきや、後味のお豆の主張が強い!手亡豆らしい香りとお味は、どこか「ずんだ」に近いものを感じます。
餡にもカステラにも油っぽさのない、和菓子らしいお饅頭でした。
トースターでじっくりと焼くと、 蜂蜜の香りが引き立ち、ぐっと美味しくなります。香ばしい皮と口溶けのよいあんこのマリアージュを楽しませていただきました。
旅の終わり

今回の旅行では、「友人と一対一で喋っていた時間を除くと、私自身の言葉をほとんど発してない...」と思うくらい、通訳に徹して話し続けていました。
大変ではありましたが、だからこそ欧米人の目線をもって、秋田観光を楽しみ、「日本人とお話する」という特別な体験ができたように思います。特におばあさまとの会話は、友人がいなければ全く違うものになっていたに違いありません。
貴重な体験をさせてくれた友人に感謝です。
また、突然あらわれた外人さんと私たち家族を全力でおもてなししてくれた、伯母一家の皆様にも本当に感謝しております。
「もっと時間があれば、北秋田の名所も案内したかった!」と言っていただきましたし、横手や大館の方にも気になっている和菓子屋さんがございます。
またいつか、美しく美味しいものがいっぱいの秋田を訪れたいと思います!