ルコの甘味日記

甘いものを食べたり作ったり

チェコ人と行く秋田 三日目

【2024年4月秋田旅行|目次】
チェコ人と行く秋田 一日目 - ルコの甘味日記
チェコ人と行く秋田 二日目 - ルコの甘味日記
チェコ人と行く秋田 三日目 - ルコの甘味日記
チェコ人と行く秋田 四日目 - ルコの甘味日記

 

翌朝、ダイニングに行くと、朝食の準備がされておりました。

鮭かまと海苔のお味噌汁の朝ごはん

友人と従兄弟は結局2時ごろまでお酒を酌み交わしていたそう。すっかり仲良くなったようで何よりです。

 

安藤醸造 北浦本館

この日まず向かったのは、お味噌やお醤油の醸造元として人気の『安藤醸造』さん。

お食事処も併設の大型店

びっくりするほど美味しい「しろだし」が試飲できます

こちらに和菓子とソフトクリームのお店があり、目を奪われました。

『お菓子のくらた』さん

お店の売りは「元祖しょうゆソフトクリーム」とそれを使った「しょうゆパフェ」。

いただきますと、お醤油と聞いてイメージしていたお味と全く異なります!キャラメルのような香ばしさに、きりっと塩気の効いた、とっても美味しいソフトクリームでした。パフェにのせられた「醤油マカロン」は甘さ控えめで癖がなく、万人受けしそうなメレンゲ菓子だと感じました。

 

角館の武家屋敷通り

その後は角館へ。

こちらのお屋敷群は京都の今宮さんの流れを汲んでいるそうです。どこか京都らしさがありつつ、それでいて枝垂れ桜と武家らしい静謐さが独特の雰囲気を生んでいる、美しい町でした。

ちょうど枝垂れ桜が見頃を迎えていました

ここで、インバウンドの方々に秋田で初めて出会いました。視界に常に外国の方が入るといっても過言ではない春の京都から来た身には、京風の町並みをアメリカ人団体客がぞろぞろと歩く角館はなんだか馴染み深く感じました。

個人的No.1展示は『解体新書記念館』!

『青柳家』では、「刀」を実際に手に取ることや、江戸から明治にかけての様々な資料を拝見することができました。特に幕末の展示が充実しており、慶喜公のお写真を見ながら、江戸城の無血開城について友人に説明をしました。

 

明治維新とチェコの民主化運動

「角館で何が一番印象に残った?」と友人に尋ねますと、「『面白かった』でいえば『刀』だけど、『印象に残った』でいうと『最後の将軍のお話』」という答えが返ってきました。

「平和裏の革命は、チェコのビロード革命に似ている」

「私たちは、流血なく民主化したことをすごく誇りに思ってるんだ」

前夜の宴でチェコの歴史について聞いていたので、「ああ、確かに」と思いました。

ビロード革命は、1989年11月17日にチェコスロバキア社会主義共和国で勃発し、当時のチェコスロバキア共産党による全体主義体制を倒した民主化革命である。(中略)この革命は、1か月後のルーマニア革命のように大きな流血に至る事態は起こらなかったことから、軽く柔らかなビロード(ベルベット)の生地にたとえて名付けられた。

ビロード革命 - Wikipedia

江戸城の無血開城は1868年、ビロード革命は1989年です。私たちにとって明治維新は遥か昔の「歴史上の出来事」だけれど、友人にとっては「生まれる直前に起こった事件」。自国の出来事と繋がった瞬間、「この人は革命直後の国で育ったのだ」ということが、ずしりと重みを持って感じられるようになりました。そして、なぜ友人がよく「ほら、私たちは共産主義だったから」と言うのか、少し理解できたような気持ちになったのです。

ここで従兄弟から「まあ日本では大概血が流れたけどな...」とツッコミが入りました。それもそう。友人に戊辰戦争をざっくり説明していますと、従兄弟が「秋田藩はすぐ新政府側に寝返ったから、秋田で血は流れなかったんだよ」と教えてくれました。めっちゃ面白い。

友人は函館の五稜郭に行ったことがあるにも関わらず、箱館戦争のことを知りませんでした。日本語もわからずに観光に行く外国人からすれば、そんなものなのかもしれません。

 

田沢湖は青く美しい湖でした。

『御座石神社』の鳥居

『御座石神社』で茅の輪をくぐり、お参りをしました。

 

日本特有(?)の恋愛事情

本日の観光はここまで。100km以上離れた、伯母のおうちまで戻ります。

この旅で私と友人はずっと、従兄弟の運転する車に乗せてもらっていました。同世代三人で喋り続けていましたから、この頃にはかなりぶっちゃけたお話もするように。

 

一番盛り上がったのは、友人の知り合いである外国人男性についての「日本で彼女を探したいらしいんだけど、おすすめのアプリある?」という話題です。

驚かれた日本の恋愛事情は二つ。日本では「出会いにお金をかける」、そして「髪が薄いとモテない」!

 

日本のマッチングアプリの多くが男性有料であることや、お高い結婚相談所を使う方も多いことを伝えると大変驚かれました。

「そんなことしなくても出会えるでしょ?」

「違うのよ、彼ら彼女らは安心を買っているの」

身近な人に声をかけてセクハラ扱いされるリスク、既婚者や遊び人に騙されるリスク、長く付き合った後で相手に結婚願望のないことがわかるリスク。そういったものをお金の力で回避する、それが今の私たちの「普通」になってきているんだと説明します。

「日本人は慎重だから」

「そんなんにお金を払うなんてありえない!」

 

また、件の彼のおでこが広々としていることを気にする私と従兄弟に、友人は「なぜ?」と不思議そうな様子。

「彼の髪が少ないからといって、お付き合いになんの影響があるの?もっと大切なことがいくらでもある!」

「わかるよ、わかるけど、私は気にするし、ほとんどの日本人女子は気にすると思う!」

私の知る欧米人で、年々後退する生え際を自虐的に語る方もいらっしゃいますし、ドラマの登場人物が髪の薄さをネタにするのも見かけます。きっと世界中の殿方が「髪が薄くなる」のを「老化現象のひとつ」として気にしているはず。それなのに友人が驚いたのは、向こうでは髪が薄いこととモテるモテないに何の関係もないからです。

欧米では逆に、「男性ホルモンが多くてカッコいい」という見方すらあるようです。ひょっとすると、現代日本で髪が後退するにつれモテることが難しくなってしまうのは、筋骨隆々な男性よりも中性的な男性の方が人気があることと関連しているのかもしれません。

 

その後も恋愛話を続けていると、友人が「あなたたちは見た目を気にしすぎ」と言い出しました。「あなたは気にしないの?」と聞くと、「全く気にしないとは言わないけど、とんでもなくタイプから外れてない限りは気にならない」のだそう。

恋愛観ほど個人差のあるものはありませんから、たまたまかもしれません。

でももし、日本人がチェコ人に比べてパートナーの容姿にこだわる傾向があるとしたら、その一因は「日本でアプリが一般的になりすぎた」ことにあるのでは、と従兄弟と話しました。アプリではどうしても写真が重要になってしまいますもの。

もう一つ考えられることとして「日本人は大人しくて会話量が少ないから、判断材料が見た目になりがちなのかも」と申しました。そしてこれは、日本で有料アプリが人気を博する理由にもなりうる気がします。

 

お庭でバーベキュー

お夕飯は従兄弟主導のBBQでした。

お刺身用のイカ

じっくり炙ったイカに『安藤醸造』さんの「しろだし」をかければ、それだけでご馳走になります。

従兄弟のお土産の仙台牛

とろとろの仙台牛は脂がたっぷりなのにしつこくなくて軽やか。とっても美味しかったです!おばあさまもモリモリ食べておられました。

焼きパイナップル

伯母の出してくれたパイナップルを見た友人が、「地元でBBQするときは、よくパイナップルを焼くんだ」と言うので、焼いてみました。ピザのパイナップルのように、甘さが凝縮されて美味しいです。

 

ご近所のことを気にせず、おうちでBBQができるのは素敵ですね。非日常をたっぷり楽しませていただきました!

 

続き→チェコ人と行く秋田 四日目

 

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