ルコの甘味日記

甘いものを食べたり作ったり

チェコ人と行く秋田 二日目

【2024年4月秋田旅行|目次】
チェコ人と行く秋田 一日目 - ルコの甘味日記
チェコ人と行く秋田 二日目 - ルコの甘味日記
チェコ人と行く秋田 三日目 - ルコの甘味日記

 

今回の旅では、友人の「ホテルは飽きた!もっとディープな体験がしたい」という希望を叶えるため、二泊目と三泊目は伯母のおうちに泊めていただくことに。両親は近くの温泉に泊まる運びとなりました。

伯母は伯父とそのお母様(おばあさま)と住んでおられます。また、仙台に住む従兄弟も私たちにタイミングを合わせて帰省し、案内をしてくれました。

 

うなぎ卸関谷 職人技を見学

二日目の朝一番。まず向かったのは、秋田市内のお魚屋さんです。

うなぎ卸関谷

こちらはおばあさまのお友達ご夫妻がやっておられる、鰻が評判のお店。

海のないチェコで生まれ育った友人には、基本的に魚介類を食べる習慣がありません。たまのご馳走として鮭を食べるくらい。そして鰻には「まずいイギリス料理」のイメージがあるそうです。それはぜひとも、日本の鰻の美味しさを知ってもらわねばなりません!

鰻を捌く調理台

ずらりと並ぶ包丁に年季の入った調理台、雰囲気たっぷりです。

桶に入った鰻の元気なこと!しばらく目を離していたら一匹二匹がぬるんと逃げています。これだけ新鮮な鰻、美味しいに違いありません。

捌くところを見せていただきました。頭をざくっと刺して固定したら、暴れる鰻を一瞬にして三枚に卸してしまわれます。すごい技術です。

お魚に烏賊など、様々売っておられます

海のない国で生まれ育った友人には魚が並んでいるだけでも新鮮で、それを特別な技術を持った職人が処理する様は非常に興味深かったようです。私にとっても初めての、貴重な体験となりました。

 

さらにその場で蒸しと焼きの調理もしていただきました。

買ってきた鰻を伯母のおうちに置いて、男鹿半島の観光に出発です。

 

アメヤ珈琲

男鹿半島の入り口にある『男鹿総合観光案内所』には、お洒落なコーヒー屋さんがあります。

カフェオレをご馳走になりました

すっきりとした美味しいコーヒーでした。

こちらのコーヒー豆はオリジナルブランドとして販売されており、県内各所のお土産屋さんでも手に入れることができます。

 

入道崎 なまはげ御殿でランチ

入道崎 北緯40度線のモニュメント

入道崎は男鹿半島の西北端に位置し、北緯40度線上の絶景で知られております。

こちらにあるレストランで海鮮丼をいただきました。

「時空を超えた海鮮丼」

一番驚いたのは、雲丹のクリーミーさと臭みのなさです。いくらは大葉の下までいっぱいに敷き詰められていて、とっても贅沢。海老も目を見張るほど立派でプリプリ、濃厚でした。

サザエつぼ焼

こちらのつぼ焼き、身がとんでもなく大きくて臭みがなく、とっても美味しかったです。中に残ったお出汁も旨味が凝縮されていて最高です。

 

大喜びの私の隣で、友人は初めて見る巨大な巻き貝に戸惑いを隠せない様子。しかし目の前にサーブされ、勧められたら食べないわけにはいきません。

恐る恐る中身を引き出し、肝の部分から齧って一言「苦い...」。すかさず父が「そこが一番苦いよ!」と申しますと、思い切って全部を食べてくれました。

なんとか飲み込みはしたものの、美味しいとは思えなかったようです。

「無理に勧めてごめんね」と謝りましたら、「海外で起こるのは良いことばかりじゃないし、それも含めて楽しんでるから」と言ってくれました。美味しいサザエ相手にあんまりな言い草ではありますが、文化の違いはどうしようもありません。

これ以降、「あのシーモンスター」としてサザエは散々ネタにされております。よっぽど衝撃だったのでしょう。よく頑張って食べてくれました!

 

絶景巡りと道の駅

二ノ目潟にゴジラ岩

この後も男鹿半島の景勝地を周り、迫力ある景色を楽しみました。

紅ズワイガニ 1袋 1,480円

立ち寄った道の駅『オガーレ』にて、二度見するほどカニがお安い!京都まで冷蔵便で送ろうかとよっぽど思ったのですが、送料の方が本体より高くなってしまうことを知り断念しました。

ここから両親は温泉宿に向かい、私と友人は伯母のおうちに戻りました。

 

鰻と郷土料理の晩ごはん

伯母が「今日はお客さんが多いから」と一升炊きのガス窯を準備してくれていました。

ガス窯。この記事を書くにあたり、お写真を送っていただきました

友人は本国でも炊飯器を持っているほどのお米好き(チェコの家庭には普通ありません)。「こんなに大きな炊飯器は初めて見た!」と非常に興奮しておりました。

みんなでお夕飯の準備

いただきます!

鰻は一人一匹がお決まり、とのこと。とんでもなく贅沢な量です。

いただいてみますと、皮と身の柔らかさが抜群。分厚い身には脂が存分にのっており、タレも甘辛い大好きな味で、いくらでもごはんが進んでしまいます。

友人も「美味しい、すごく美味しい」と喜んでいました。「骨がない、もっと骨を感じるものかと」と言うので「これが日本式だよ」とドヤ顔で申しました。ぶつ切りにする調理法とは違うのです!

 

添えられているのは「芋の子汁」という郷土料理。里芋に鶏もも肉、大きななめこ、ささがきごぼう、そしてお葱が入っていて、体がぽかぽかと温まってくるような優しいお味でした。

おうちで再現

作り方を伯母に教わり、先日うちでも作ってみました。これとごはんさえあれば栄養バランスばっちりの完全食で、一人暮らしの強い味方になってくれそうです。

 

おばあさまを囲んでゆっくりお話

夕食の後は、友人とおばあさま、従兄弟との宴と相成りました。おばあさまの生い立ちからチェコの歴史、アメリカ大統領選に日本の少子高齢化まで、本当にいろんなことをお話しました。

満州出身のおばあさまが日本に移り住み、八百屋さんというファミリービジネスを立ち上げて立派なおうちを持つに至った物語に、友人は感銘を受けていました。

特に印象的なのは、日本兵のシベリア抑留と同様、東欧にもロシアによる強制労働の過去があるというお話です。お父様がシベリア抑留をご経験されていることもあり、おばあさまのロシアに対する思いには並々ならぬものがありました。一方、友人の生まれ育ったチェコには、ソ連の一国として長くロシアの脅威に晒された後、民主化を勝ち取った歴史があります。ロシアの悪口大会と化した宴にて、かの国が如何に東西に長く、強権的な振る舞いをしてきたかを知ることになりました。

また、仕事で中国・台湾を訪れる機会の多い従兄弟と、欧州に住む友人との間で、世界情勢に対する見方が異なるのも面白かったです。台湾有事が自分事である従兄弟に対し、友人にはウクライナ・パレスチナの方が身近で、近隣諸国の緊張感の高まりに恐怖を感じながら暮らしているそう。同じ地球に住んでいても、日本とチェコでは地政学的な状況が全く異なるのだということに気付かされました。

 

日付をまわる頃におばあさまと私はリタイア。まだ飲み足りなさそうな二人を残し、自室へと戻りました。

 

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