【2024年8月広島旅行|目次】
広島旅行記1 平和記念公園とお好み村 - ルコの甘味日記
広島旅行記2 宮島水族館と夕暮れ時の厳島神社 - ルコの甘味日記
今年のお盆は広島に行ってきました。
お友達の故郷を訪ねる、二泊三日の広島旅。始まります!
出発
お友達とは京都駅で待ち合わせ。
丁度お昼どきだったので、新幹線改札内の『総本家にしんそば 松葉』さんにて「おろしそば」をいただきました。
注文時の想像よりもずっと豪華な姿に、早速テンションが上がります。花かつおの香りの良さもさることながら、お蕎麦そのものが美味しいと感じられる一杯でした。
お土産屋さんを物色していると、『大極殿本舗』さんの「若あゆ」があり、思わず購入してしまいました。まさか新幹線改札内で買えるとは!
期待通り、いえ期待以上に美味しい。
皮が薄めで大変柔らかいため、「求肥が主役の若あゆ」という印象を受けます。しかし、この皮が本当に秀逸なのです。ほわっと口溶けよく、香ばしさが際立っており、しっとり感も申し分ありません。求肥は滑らかな舌触りで、もっちり柔らか。
好きな若あゆランキングで一位に躍り出るくらい、私好みのお品でした。
原爆ドームと平和記念公園
広島に到着して、まず向かったのは原爆ドーム。私は修学旅行でも来たことがなく、初めての訪問です。
路面電車の駅を降りると、目の前にありました。
この建物が長方形で、いつも短辺から撮られたお写真を見ていたとは存じませんでした。
パネルのお写真と見比べますと、左右対称だった姿が見る影もないくらい崩壊しているのが分かります。この角度から見た姿が一番記憶に残りました。
説明書が日本語でなければ、ヨーロッパの観光地と見紛うような外国人率です。
次から次へと現れるモニュメントに、不謹慎ながら思ったのが「平和のテーマパークみたい…」ということ。
これに近い感覚を、比叡山延暦寺を訪れた時にも抱きました。
私には、「これだけ広い土地が、ただ一つの目的のために使われている」ということが、尋常でなく思えるのです。人の「思い」の強さに圧倒されるような気持ちになります。
広島平和記念資料館
さて、原爆の資料館に到着です。
今回の旅行を企画するまで、私はてっきり、原爆ドームの中が資料館になっているものだと思っていました。「別のところにあるよ」と聞いた後も、大して広くない展示室に古ぼけたパネルが並んでいるような場所をイメージしていました。
全然ちゃう。
(画像:広島平和記念資料館 | 資料館について | 施設概要)
この巨大で真新しい建物が「平和記念資料館」でした。
想像の5倍は大きい... 外も中もめっちゃキレイ... これで入館料200円!?やすっ!!
資料館は、破壊された街の被害状況に始まり、投下直後の市民の方々の様子から、被爆者を長期的に苦しめた原爆症の説明へと進んでいきます。
爆発・大火災と火傷の展示をこれでもかと見た後、「死の斑点が出た兵士」が現れたときにはぞっとしました。
こちらのお写真、何が怖いってカラーなのです。
火傷のお写真も凄惨ではありましたが、白黒だったのでなにがなんだか分からないようなところがありました。よく見ると痛々しい、ぐらい。それが、色がつくだけでこんなに現実味を帯びて見えるとは...。実際に彼らの姿を目にし、臭いを感じた方々のショックは計り知れません。
そして、外傷が治った後もずっと苦しんだ方々のお話に「地獄が終わらない」絶望感を覚えました。
印象的だったのは、固定電話もままならないような状況で、相当に正確な情報網があったこと。
みんな、行方不明になった家族を死にものぐるいで探しているのですが、「どこぞの救護所にいる」「誰それの家にいる」「なんとか橋で見た」など、よくまあと思えるほど目撃情報が寄せられるのです。
当時の人々の距離の近さと助け合いの精神には驚かされました。
資料館には「被爆体験伝承講話」の案内がありましたが、この日の講話は全て終了しており、残念でした。
広島出身のお友達は、小学生の頃から、毎年のように講話を聞いていたそう。私が琵琶湖疏水を作った田辺朔郎について学んでいたとき、ずっと原爆の勉強をしていたわけで、解像度も危機感も私とは桁違いです。
ウクライナ戦争が激化した時期に、「万一、京都に核が落ちるようなことがあったら、(記憶が正しければ48時間は)屋内に閉じこもっていてほしい」という話をされたのを覚えています。残留放射線量は爆発後の数日間で激減するから、とにかく最初に被爆しないのが肝心なのだと。
(画像:原爆放射線について|厚生労働省)
これはなかなか有益な情報だと思うのですが、それまで全く聞いたことがありませんでした。こういうことこそ、学校で教えてほしいものです。
閉館の20時までたっぷり観覧した後、慰霊碑に手を合わせて帰りました。
お好み村で晩ごはん
夕食は「お好み村」にていただきました。
広島のお好み焼きには中華麺が入っているものと思っておりましたが、お友達いわく「そばもうどんもどっちも食べる」とのこと。
おうどんの入ったものは初体験。おそばの方も、前回いただいたのは随分前で、記憶が定かではありません。
ざっくりと切り分け、中のキャベツから一口いただいてみて「え、味薄っ」と思いました。お野菜や麺にはほとんど味付けがされておらず、ソースのかかった卵といただくことで完成するもののよう。
それにしても、「お好み焼き」という響きから予想されるこってり感がありません。全部を一緒にいただいても、まるでおうちの焼きそばのように薄味。
「これ、全然お酒進まなくない?主食感がすごい」と言うと「主食だよ?」とお友達。
「え...?」
あ、そうか、私、「お好み焼き」というものはすべからく主菜なのだと思っていました。
実家ではいつもごはんの「おかず」としてお好み焼きが出ていましたし、単体では辛すぎるから、お米ないしお酒が無くてはならないものだと。
広島のお好み焼きは違うのです。それ単体でお食事が完成する一品で、焼きそばや焼きめしのようなものなのです。
そのつもりでいただけば、なるほど全体を一緒にいただくのに丁度よい、計算されたソースの量なのだとわかります。魚粉の香りとキャベツの自然な甘みが美味しい。
食べているうちに、クレープのような薄い生地も、麺もパリパリになってきて、美味しさが増しました。もんじゃ焼きと同類の、「食事の中で進化する系料理」だったとは!
発見の多い、楽しいお食事となりました。