【2025年3月東欧旅行|目次】
東欧旅行 3月1日@日本〜機内 - ルコの甘味日記
東欧旅行 3月2日@イスタンブール - ルコの甘味日記
東欧旅行 3月3日@イスタンブール - ルコの甘味日記
東欧旅行 3月4−5日@パルドゥビチェ - ルコの甘味日記
東欧旅行 3月6−8日@ウィーン - ルコの甘味日記
東欧旅行 3月9−11日@パルドゥビチェとクトナー・ホラの骸骨教会 - ルコの甘味日記
東欧旅行 3月12−16日@プラハ〜日本
前回の続きです。
長かった東欧旅行も、終わりの時が近づいてきました。
おばあさまとのお別れ
友人宅を発つ日のこと。私たちの出発前におばあさまがお出かけされるとのことで、慌てて後を追いました。
「ディーキ(díky: ありがとう)」と言いながら、前夜に準備したお手紙とプチギフトをお渡しします。
プチギフトといっても、たくさんの方々にお土産を配り歩いた結果、唯一残っていた「ビスコ発酵バター」です。言葉が通じないことをもどかしく思いながらも、指差しながら「ビスケット」と言うと、頷いてくださいました。
「ディーキ」を強調する言葉すら知らなくて、ただただ繰り返す私の頬に、おばあさまは冷たい手を添えて微笑み、何かおっしゃいました。
言葉はわからないけれど、何を伝えようとしてくださっているのかは、わかるような気がしました。
プラハの博物館巡り
最後に訪れたのが、プラハです。
同じ欧風の旧市街でも、白く透明感のあるウィーンの街並みとは、ずいぶん異なる印象を受けました。

建物自体はカラフルなのに、かつて用いられた石炭の煙のせいでしょうか。街全体にセピア色のフィルターがかかったような印象を受けます。可愛らしいのにどこか物憂げで、街を歩いているとまるで御伽話の裏側に迷い込んでしまったような感覚に陥る、不思議な街でした。
社会主義の香りの残る、美しくも影のある街で、私がいちばん魅せられたのは、現地の文化や歴史に触れられる博物館の数々でした。
まずは錬金術博物館。


漫画『鋼の錬金術師』が大好きな私。実在の錬金術師たちが日々実験を繰り返したマッドな空間には大興奮してしまいました。
続いては、チェコ国立技術博物館。

馬車からクラシックカー、スポーツカーへと至るモビリティの歴史や、巨大な蒸気機関車が並ぶ空間は圧巻でした。



その他の展示にもチェコらしい独創性があり、「ここだけで2、3日は過ごせるのでは」と思うほどの充実ぶりで、見る展示を絞るのが本当に大変でした。
さらに、農業博物館。
農業は、食べ物と深く結びつくものです。
現地の農耕の歴史、食材や調理器具の数々の展示は、これまでの旅で食べてきたチェコや東欧の食事につながる、答え合わせのようでした。
何より私が興奮したのが、この料理ゲームです。


チェコ語のわからない私にとってこのゲームは、チェコの伝統料理がどのように作られるのかを視覚的に理解するための、最高の教科書でした。
夢中になって取り組んでいるうちに、飛ぶように時間が過ぎておりました。
丸一日博物館を楽しみ、大満足で滞在先に戻ると、待っていた友人に酷く心配されておりました。
「ずっと連絡がつかないから、携帯の充電が切れたか、どこかで倒れているんじゃないかと思っていたのよ!」
慌てて平謝りしましたが、それだけ素晴らしい展示だったということです!
プラハでいただくスイーツたち
こちらでもカフェ巡りは怠りません。




こちらのカフェのケーキは、見た目もさることながら、お味も大変に良かったです。
口に含んだ瞬間、発酵バターのコクのある香りがぶわっと広がり、これ以上ない贅沢を感じられるケーキでした。


こちらの隠れ家カフェはコーヒーもペストリーもレベルが高く、二日連続で伺ってしまうほどでした。

最後にご紹介するのは、おしゃれカフェ『Šodó』でいただいた「セモリナ粉のお粥(Krupicová kaše)」です。 これが、日本のいわゆる「お粥」の概念を覆す、全く新しい味わいでした。
食感はまるで、ふわふわに泡立てられたクリームのよう。「お粥」という言葉から想起される粒々とした食感は皆無です。
器の底には、酸味のあるフルーツソースと透き通ったシロップ、さらにアプリコットのコンポートが沈んでいました。それぞれの要素は、ほのかに甘い、絶妙な塩梅。
トッピングされたたっぷりのスライスアーモンドが香ばしさを添え、レモングラスの爽やかな香りが「スイーツというよりはお食事」という雰囲気を醸し出しています。
贅沢なこちらの一品は、チェコの伝統的な朝ごはん... の大幅な現代アレンジ版だそう。いつか、伝統そのままのスタイルでもいただいてみたいものです!
出発、そして帰国

プラハ城のあるフラドチャニの丘から見たプラハの街の美しさは、息をのむものでした。赤茶色の屋根がどこまでも続いていて、その向こうに塔が立ち並ぶ。
絵葉書のよう、という言葉では足りないくらい、本当に美しい景色でした。
そして、夕暮れから夜にかけてのカレル橋。

昼間の賑わいが少しずつ静まり、街灯が灯りはじめるころの橋は、どこか幻想的で、時間そのものがゆっくり流れているように感じられました。
そうして迎えた最終日。
友人に空港まで送っていただき、いよいよ日本への帰国便に乗り込みます。
帰りの機内では、ずっと夢うつつでした。
二週間ほど共に過ごしたからでしょうか、今日家に帰ってもチェコ人の友人が待っているような、不思議な感覚にとらわれていました。 でも、現実にいるはずがありません。
日本が近づくにつれ、しばらく会えないのだという事実がじわじわと実感を増し、急に寂しさが込み上げてきました。
それまでの人生、京都以外に暮らしたことのなかった私にとって、パルドゥビチェが第二の故郷になったのだと、そのとき思いました。

これにて、長かった東欧旅行記を終わります。
帰国から一年以上が経ち、徐々に記憶が薄れる中での執筆となりましたが、当時のメモを片手に、なんとか形にできたことにホッとしております。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
また日々のお菓子記録、そして次の旅で、お会いできましたら幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


























































