ルコの甘味日記

甘いものを食べたり作ったり

ソウル旅行記5 伝統菓子、パンスイス、帰国

【2024年2月韓国旅行|目次】
ソウル旅行記1 計画、出発、夜市で晩ごはん
ソウル旅行記2 茹でカイコ、美術館、パン屋さん
ソウル旅行記3 クッキー、人間味のあるロボット、参鶏湯
ソウル旅行記4 朝カフェ、ローカルなお祭りと商店街
ソウル旅行記5 伝統菓子、パンスイス、帰国
ソウル旅行記6 辛ラーメン、蟹ダシダ、首カイロ

 

前回に引き続き、ローカルな商店街を歩きます。

伝統菓子「薬菓」と高級マンション

見慣れないものがずらりと並ぶお菓子屋さん

こちらで韓国の伝統的なお菓子「薬菓(ヤックァ)」を購入しました。

三枚で2,000ウォン(225円)でした。お買い得です

もう数年前になるでしょうか、こちらの動画で知ってからずっと「いつかお試ししたい」と思っていたのです。

www.instagram.com

「なんて罪深いお菓子!」というのが第一印象。だって、油を混ぜた生地を揚げ、さらに蜜に漬けるのです。最近流行りの、薬菓の載ったクッキーなどではなく、昔からずっと食べられてきたオリジナルを食べてみたい。そう思っておりましたので、この商店街のお店はうってつけでした。

直径七センチほど。中はみっちみちです

いただいてみますと、シロップのおかげか、そこまで油っこくありません。黒糖が香り、サーターアンダギーを蜜に漬けてぎゅっと押し潰したような感じ。甘さ控えめで癖がなく、「また食べたい」と思うくらいには美味しかったです。スパイスが入ることが多いようですが、原材料を機械翻訳で見てみた限り、こちらの薬菓には入っていないようでした。

ちなみにおひとつ242キロカロリー。ポン・デ・リングやハニーディップといったドーナツを余裕で超えています。ぎゅうぎゅうにエネルギーが詰まっていますね!

パン屋さん。菓子パン・ケーキ多め

このパン屋さんのお向かいは、立体駐車場のあるような、とても大きくて立派なビル群でした。「ホテルかしら?それにしては大きすぎるような。しかも、こんな商店街の真ん前に?」と不思議に思いつつ進むと、『LOTTE CASTLE』の看板が。

ロッテのお城...。もしかしてマンション?  

 

調べてみると、ビンゴです。

www.lottecon.co.kr

こんなところに高級マンションがあるなんて、それもロッテが運営しているなんて。商店街の賑わいはこちらの住人のおかげなのかもしれませんし、こちらにお住まいの方々はもっと綺麗で高級なスーパーに行くのかもしれません。いろいろと想像が掻き立てられました。

ショッピングモールにホテルにこのマンション、駅の自販機など、韓国で『LOTTE』を見る機会の多さには驚かされます。何気なく買ったペットボトルのお水までロッテでした。走っている車は『Hyundai』ばかり。韓国における財閥の強さをひしひしと感じます。

 

キャロットケーキと念願のパンスイス

お目当てのカフェ『OUDE BAKERY』
フランス風のパンと、アメリカンなお菓子

パンスイスとキャロットケーキ

「パンスイス」というヴィエノワズリー、東京にはいくつか食べられるお店があるそうで、こちらの記事を拝読してから気になっていました。

www.elle.com

早く京都までトレンドが来ないものか、と待ち構えていたのです。それをまさか、韓国で初めて食べることになるとは思いもしませんでした。

断面

パンスイスの中にはカスタードクリームとチョコレートチップ。温め直してくださるため、どちらもとろとろに溶けています。これをサクサクのクロワッサン生地といただいて、美味しくないはずがありません。やはり甘さが控えめなので、軽くいただけます。

キャロットケーキは、クランブル、スポンジ、クリームフロスティング、全ての構成要素から塩分を感じます。持論で恐縮ですが、キャロットケーキは塩気が効いて、どこかおかずっぽい雰囲気がある方が美味しいと思います。ですから、このケーキは大変に気に入りました。クリームがふわっと軽いのも私好みです。

 

あまりにケーキを気に入ったので、両親と食べようとお土産を買って帰りました。

チョコレートクッキーとキャラメルフィナンシェ

どちらも濃厚でリッチな味わいで、美味しかったです。

『OUDE BAKERY』のお品は技術の面でも素材の面でもレベルが高く、「お店ごと京都に持って帰りたい」と思うほどお気に入りとなりました。

 

帰国

19時ごろのアシアナ航空で帰国しました。

さよならソウルの街

空から見るソウルの夜景はきらきらとして、大変綺麗でした。  

『Miso Cream Chicken with rice』

機内食は「チキンの味噌クリーム煮・ライス添え」というなかなか攻めた一品。

このお味噌は辛くない日本風のもので、ほっこりと優しいシチューのようなお味。鶏肉もほろほろで美味しかったです。ここに例の激辛コチジャンが加わると、お味のテイストはそのままで辛味が足されます。それはそれで美味しくはありましたが、コチジャン無しでいただく方が私は好きでした。 

 

旅全体を通して印象的だったこと

日本に関心を持つ方の多さ

ホテルや観光客に人気のお店で働いておられる方々の流暢さは言わずもがな、一般の方でも日本語のわかる方が多いようでした。行きの飛行機で「かばん出しますか?」と聞いてくださった方もそうですし、私の不注意からぶつかってしまったとき、口を衝いて出た「すみません」に対して「大丈夫ですよ」と応えてくださった方もいらっしゃいました。

丁度私が帰国したころ、韓国の方の「対日好感度」が過去最高だというニュースを見かけました。訪日韓国人数は訪韓日本人数よりずっと多いことが知られており、実際に飛行機では日本人よりも向こうの方、特に若年〜中年層が多いと感じました。

韓国の方々の日本に対するポジティブな感情がこれほど強いとは、実際に行ってみるまで想像もしておりませんでした。

欧米系観光客の少なさ

これは私の住んでいる京都との比較になりますが、外国人観光客に占める欧米人の割合が明らかに少ないです。日本に比べると、そちらの方々には行き先として選ばれにくいのかもしれません。

外国人観光客の恐らく半分以上が日本人、残りのほとんどが中国系と東南アジア系でした。東南アジアの方が多い理由は、「日本より距離的に近い」こともあるでしょうけれど、「韓国発コンテンツのマーケティングが大成功している」のが大きいのではないかと考えております。今回同行したインドネシア人のお友達によれば、彼女は小学生の時からK-popや韓流ドラマに親しみ、韓国語の勉強を始めていました。フィリピン人の友人も韓流ドラマが大好き。自国発コンテンツに乏しい東南アジアの国々でそういったコンテンツが人気となり、聖地巡礼のために韓国を訪れる方が多いのではないでしょうか。

食文化について

韓国における「あんこ」の身近さには驚かされました。ホットックなど伝統的なお菓子にも小豆餡が使われますし、多くのカフェで「あんバターパン」をお作りになっていました。現地でいただいた「あんこ」が完全に日本と同じだったことから、和菓子との密接な関係を感じました。

もうひとつ驚いたのはカフェの多さです。大通りに面して切れ目なく飲食店が並び、その多くがスターバックスやベーカリー、ハンバーガー屋さんなどのチェーン店。日本に比べてファミレスや牛丼屋さんのような「食事」のためのチェーン店が少なく、また深夜までやっているカフェが多いことを考えると、ランチやディナーのためにカフェを利用する方が多いのでは、と思いました。

 

韓国でいただいものの印象をまとめると、「お料理の塩分は控えめ、味の濃さは辛さで調節」「お菓子の甘さは控えめ、塩分は多めで甘じょっぱさを楽しむ」となります。

お食事の塩分は強くないのにお菓子の塩分は強い、というのは面白い傾向です。「お菓子も食事の一種」という感覚が日本より強いのかもしれません。これもカフェ利用が盛んな一因になっているのではないかしら。

洋菓子のクリームが軽く仕上げてあったのは、生クリームの苦手な私には大変ありがたく、「これ日本でも食べたい...!」というお菓子の連続でした。

 

次回の旅行記は、買ってきたお土産をいろいろと食べる記事にしたいと思います。

あと少し、お付き合いいただければ幸いです。

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