「豆餅」で知られる『ふたば』さんから鴨川を渡り、今出川通沿いに徒歩10分ほど。
京都大学の石垣が見えてきたら、そこが「百万遍」の交差点です。
最近ダイコクドラッグからドラッグユタカに変わった古いビルとローソンに挟まれて、『御菓子司 かぎや政秋』さんはあります。
こちらを訪れたきっかけは、高島屋名物バイヤーさんのポスト。
#販売情報 #迎春の和菓子たち
— 畑 主税(高島屋和菓子バイヤー公式) (@wagashibuyer) 2023年12月27日
いつも年末にご紹介しますのが、 #京都 の #百万遍かぎや さんの… pic.twitter.com/Ru8NgFFo6A
えっ『かぎや』って、あの百万遍の『かぎや』さん? 東京の百貨店に卸さはるくらい、有名なお店だったとは。
百万遍に通う身として、ぜひ一度行かなくてはなりません!
百万遍かぎや 本店
新しく綺麗なお店なのですが、いつも店内が暗く、「やってはんのか閉まってんのか分からへんな」と思っています。初めて足を踏み入れました。
店内は落ち着いた雰囲気です。
お目当ての「益壽糖」を発見。
最中や季節の水羊羹、これまた東京に卸しておられるアーモンドの落雁 「野菊」もありました。
まずはお試しということで、「益壽糖」と代表銘菓「ときわ木」の詰め合わせ「遊 〜ゆう〜」を購入しました。
王母仙菓 益壽糖
パッケージから出し、持ち上げようとしてびっくり。力を抜いたねこちゃんのようにふにゃふにゃなのです。
いただいてみると、「くるみゆべし」とフランス菓子の「ギモーヴ」を足して2で割ったよう。ふわふわ・ねっとり・とろっとした、噂通りの面白い食感です。
ニッキが香りよく、甘さはしっかり。控えめに混ぜ込まれた胡桃が楽しいアクセントになっています。
ベースはあくまでお餅菓子ですが、メレンゲを使っておられるからか、洋菓子の雰囲気を感じました。
ときわ木
こちらは大正中期から作っておられるという銘菓「ときわ木」。
見たまんま、あんこのかたまりです。
ほろほろとした粒あんは口溶けよく、適度な甘さで、美味しいです。小豆の香りも申し分ありません。小さいけれど食べ応えがあり、満足感の強いお菓子です。
いただきながら、「この、水分の少ない粒あんを私はよく知っている...」と思いました。馴染み深い何かに似ている気がして、しばらく考えて、わかりました。
「雲龍」です。
言わずと知れた『俵屋吉富』さんの代表銘菓。お味は美味しいのですけれど、なんだかモサモサしていて、小さい頃からあまり好まない(でもよくいただく)お菓子でした。
「雲龍」とは異なり、「ときわ木」は口の中の水分を奪わないので、大変美味しくいただきました。これくらいしっとりしたあんこなら大歓迎です!
どちらも常温保存可能で、お日持ちは「益壽糖」が5日間、「ときわ木」が3週間と少し。
おひとつあたりのカロリーは「益壽糖」が 89.0キロカロリー(25g)、「ときわ木」が 75.1キロカロリー(27g)でした。「益壽糖」の方がするっと軽くいただけるのに、罪は重いのですね。
『かぎや』さんの近くには、金平糖の『緑寿庵清水』さんもあります。こちらも、東京のあちこちでお見かけしては「うわっここでも売ってる!」と思っているお店。お高いけれど、金平糖に対するイメージを一新するようなお品を作っておられますので、いずれご紹介できればと思います。
少し歩けば「豆餅」の『ふたば』さんに、「阿闍梨餅」の『京菓子司 満月』さん、みたらし団子発祥の地である『加茂みたらし茶屋』さん、私イチ押しのいちご大福をお作りになる『菓子司 山もと』さん。
実は和菓子屋さんの充実している出町柳〜百万遍エリア。下鴨神社や銀閣寺に行かれる際には、是非お立ち寄りください。