今年ももう終わり。実家で紅白を見ながら、この記事を書いております。
一昨日、両親が出町の商店街に買い出しに行ったのですが、そのときふたばさんが期間限定の出店のようなものをされており、そちらには行列が無かったそう。コロナ禍が明けてからというもの、いつも尋常でない並び方をしているふたばさんの豆餅が並ばず買えるということで、いくつかお持ち帰りしてきてくれました。
さらに、年末だからか、白餅もそこで販売されていたそうです。つるんとしたただのお餅が八個で1,200円。思わず「たっか」と言ってしまった母に、店員さんが「餅米が違うんです!」とおっしゃり、気になってこちらもお持ち帰りしたということでした。
出町ふたばの名代豆餅
我が家のおやつの定番、ふたばの豆餅。お日持ちは当日中です。家族三人分、ちょうどのパックに入れてくださいました。
豆餅といえばふたば、ふたばといえば豆餅。よその豆餅を食べたことがないので比較ができませんが、安定の美味しさです。
おひとつ220円。昔はもっともっとお安く、ひとつ130円くらいでした。たくさん買ってもそれほど高くなく、外れがないということで、私が幼少の折は普段使いの手土産の定番でした。幼稚園のお友だちのおうちに集まるとなると、ママさんたちの誰かひとりはふたばの豆餅か美玉屋の黒みつだんご、もしくはパティスリーカランのチーズケーキを買ってきてくれたものです。
実を申しますと、この三つの中で私が一番喜ばなかったのは、ふたばの豆餅でした。というのも、豆餅を豆餅たらしめる所以の赤えんどう豆が苦手だったのです。皮が硬く、それ自体甘くないことが理由でした。これがなくてつるんとしたお大福だったらもっと美味しいのにと思いながら食べていたのを覚えております。なんてこと!このお豆のプチプチサクサクとした食感があるから、えんどう豆が香るから、豆餅は美味しいのよ、わかってないわ!!と幼い私に言ってやりたい気持ちです。いつからでしょう、中学生ぐらいからかしら、お豆が苦手だった気持ちは消え去り、豆餅を豆餅として喜べるようになりました。
断面はこんな感じ。分厚くもちもちとしたお餅にこし餡がみっちりと詰まっています。お餅とお豆にちょうどよい塩味がついているのが、このお大福のなによりの魅力です。あんこは絶妙な甘さのこし餡で、お豆の風味に大変よくマッチします。
仙太郎さんのおはぎ(仙太郎のおはぎと京都限定 栗むし。祖父の思い出の味。 - ルコの甘味日記)とともに、物心つく前から食べ続けているお菓子。私が死ぬときまでずっと、昔から変わらないお味で食べ続けることができれば、それはとても幸せなことだと思います。今のふたばさんの人気を思えば、心配はいらないかもしれませんね。
小餅(丸餅) 、大根おろしとともに
なにも入っていない白餅です。本当は八つ入っていたのですが、お写真を撮る前に四つ食べてしまいました。お日持ちは二日間、大晦日までです。冷凍もできるということですが、きっとお味は落ちてしまうことでしょう。
まず、その日の晩ごはんに大根おろしとお醤油でいただきました。
お写真に写すのが難しかったのですが、完全に均一な色ではなく、小さなつぶつぶが見えます。これがきらきらとして見えて、大変美味しそうです。いただいてみますと、しっかりとお米の味のするとろとろのお餅、本当に美味しい。茹でた表面もざらっとしているのですが、この潰されたお米の若干残っているのがなんとも言えない歯応えと舌触りです。
重さはひとつ44gと小ぶりながら、ひとついただくとずっしりとお腹にくる感じがあり、お腹がいっぱいになります。やはりスーパーの量産品のお餅とは密度が違い、みっちりと詰まっています。
小餅(丸餅) 、TORAYA AN STANDのAN PASTEとともに
大根おろしといただきながら、この折角のお餅を美味しく食べるにはどのような食べ方がよいだろうと家族で協議をいたしました。海苔が合いそうと私は思いましたし、父は磯部焼きはどうか、母はおぜんざいに入れたいと申しまして、三者三様です。きっとなんでも美味しいことでしょう!ですがやはり甘党の我が家、おぜんざいに気持ちが傾きます。生憎我が家には井村屋さんのおぜんざいしかストックがなく、もったいないかしらとお話して一夜明けた翌朝。
キッチンカウンターにはとらやさんのあんペーストが置かれていました。
そうでした、随分前に購入したこちら、日持ちするのをいいことにすっかり忘れていたのです。ジャムのような形態で売られており、公式サイトにはこうあります。
使いみちはいろいろ。まずはトーストやパンにたっぷりと塗ってお召し上がりください。ヨーグルト等の乳製品にもよく合います。食事からおやつまで、ご自由にお楽しみいただけます。
(引用:株式会社 虎屋)
お砂糖、小豆、寒天のみのシンプルな材料。お試ししたことはありませんでしたが、安心のとらやさんブランド、絶対に美味しいはずです。思い出してくれた母を褒めちぎり、早速お餅を茹で始めました。
小鍋でくつくつと茹でます。私はお餅は焼くより茹でるのが好きです。
茹でたお餅にあんペーストを乗せ、あんころ餅の完成です。ひとまず一食分とされている20gを乗せてみました。
いただきます。美味しい!!お餅の味が濃すぎてあんこが足りない!!!
ここはおうち、そんなときは追いあんこが可能です。お写真が綺麗でなくてごめんなさい、完全に包めるほどのあんこを乗せてやっとバランスがとれました。ほのかに甘みのある強く濃いお餅に、とらやさんの上品なあんこが合い、非常に美味しいです。あんこは思ったほど重くなく、軽やかな印象。小豆の香りと非の打ち所のない滑らかさ、絶妙な甘さ、完璧主義の優等生(というイメージ)のとらやさんらしい仕上がりです。赤福レベル100といった感じ。
大変美味しい、家で食べた甘味の中でトップクラスの美味しさを誇る代物を生み出してしまったわけですが、ひとつ面白かったのは、ここまであんこを乗せてもまだお餅の美味しさがあんこを超えていたことです。これは家族みんな感じたところで、あんこはお餅の引き立て役になっていました。しかし虎屋菓寮でお汁粉などをいただきますと、圧倒的なあんこの美味しさにいつも感動させられます。あの本店でいただけるあんこと、こんなジャムのような形態で売られている、一年も日持ちしてしまうあんこでは、同じとらやさんでも格が違うのかしらと思いました。
そんな印象となったのも、ふたばさんのお餅の力あってのことです。ただのお餅として想像できる範囲を超えた、大変美味しい白餅でした。
我が家では大晦日に鳴海餅さんの本店に行って白餅を買うのが恒例ですが、今年は趣向を変えまして、朝から家族で大原の志野に行き、お餅を確保してきました。大好きな志野のおはぎも購入しましたので、こちらについても近々ご紹介する予定です。
ずっと書きたかったブログを始めてひと月半。大好きな甘味について好きなだけ語ることのできる場ができ、とても嬉しく充実した気持ちです。来年もこの調子で書き続けられればと思います。
いつも読んでくださる皆さま、本当にありがとうございます。今年も残り僅か、良いお年をお迎えください。