秋田を代表する老舗和菓子店の『菓子舗榮太楼』さん。旅行初日に訪れた「幸町店」に引き続き、最終日には「いとく新国道店」を訪れました。
もともとは「幸町店」を再訪するつもりだったのですが、到着してみると日曜定休。「近くでやっている店舗はないか!」と検索してヒットしたのがこちらでした。
秋田・青森ローカルのショッピングモール『いとく』さんの中に入っておられます。
「さなづら」には前回ご紹介したオリジナルだけでなく、「ゼリー」や「葛ようかん」もあります。
和菓子屋さんがケーキも作っておられるのは、「まち子姉さんのごま餅」の旭南高砂堂さんと同じですね。秋田あるあるなのかしら。
しかしやっぱり売れ筋は和菓子のようです。「ゆべし」があるのが東北らしい。
保冷バッグにあんみつを、リュックにはお饅頭を詰め、一時間半の空の旅を経て帰宅。
早速お茶会です!
春のクリームあんみつ
「クリームあんみつ」といえばアイスクリーム!と思っておりましたが、こちらの「クリーム」は生クリームの意味でした。
トッピングは桜あん、生クリームに手亡豆、そして羽二重餅。あんこの桜色と、お豆や羽二重餅の柔らかな色味のコントラストが、とっても春らしくて可愛い。別添えのシロップの中にも花びらの姿があります。
お日持ちは翌日まででした。寒天にしても生クリームにしても、少しでも早くいただくのに越したことはありません。
お皿に移していただきましたが、あんこと生クリームを綺麗に移すのが至難の業でした。お客様にお出しするときは、トッピングはパックのままにした方が無難なように思います。
まず驚いたのは、あんこの美味しさです!春らしい、お上品で可憐な味わい。寒天も口溶けよく、美味しいです。ねっとり柔らかい羽二重餅と、ほっこり炊かれた手亡豆はどちらも程よい甘さ。
一点だけ残念だったのは、クリームがホイップから時間の経った生クリーム特有の、もさっとした食感になってしまっていたことです。添加物のないシンプルなお作りだからこそ、京都までの移動はしんどかったのでしょう。とはいえ、シロップに溶かしていただけば食感は気にならず、あんこの素敵な引き立て役になってくれました。
赤まんと青まん
続いては「人気No.1!」の「赤まん」と「青まん」のご紹介です。
赤まんじゅう
黒糖風味の薄皮饅頭に、こし餡と黒蜜が包まれています。
薄皮はすっと消えてしまうような儚さ、たっぷり詰まったあんこからは小豆の風味をしっかりと感じます。黒蜜はとろりとした口溶けで香り豊か。
あんこに塩気を感じる、と思いましたら、原材料にお醤油が使われています!それがこのコクを生んでいるのですね。
しっかりとした甘さに絶妙な塩気、複雑な旨みが秀逸です。力強くも粗雑さが全くなく、繊細さを残した一品。
これは両親が絶賛したのも納得です!
青まんじゅう
もうひとつ、「青まん」も全く異なる美味しさをもったお饅頭でした。こちらはシンプルな山芋饅頭です。
一番の特徴はもっちもちの皮!肉まんのようなふわふわ感がありつつも力強く、ねっとりとしています。山芋らしい風味が強く、甘さは控えめ。
あんこはすうっと消えていくような口溶けのよさで、限界まで雑味を取り除いたような、お上品な味わいです。赤まんと共通であるように思いますが、黒蜜がない分、こちらの方が甘さ控えめに感じました。
一緒にいただくと、完全に皮が主役のお饅頭となっています。あんこを少しのせたお団子をいただいているような感覚。皮の風味ともちもち感を楽しむ一品です。
どちらもいただいてみて、私はこってりと甘い赤まんの方が好みでした。もっちりしたお団子食感のお好きな方は、青の方がお好みかもしれません。
お日持ちは二日間。県外の催事で出すにはかなり厳しい短さです。
『榮太楼』さんの和菓子はどれも品が良く、丁寧な味わいでした。東京よりも京都の和菓子に近いように感じます。雑味を極力排除しておられるあんこに、舌触りから拘りを感じられる生地や寒天。正直に申し上げて、こんなにレベルが高いと思っておらず、驚かされました。
また東北展などで『榮太楼』さんをお見かけするのを楽しみにしております。そしていつか、秋田を再び訪ねたときには、赤まんなどお日持ちしないお菓子も存分にいただきたいと思います!