先週末は千葉に滞在していました。
土曜日の夜SNSを開くと、高島屋の名物バイヤーさんのこんな投稿が目に入りました。
#菓子案内
— 畑 主税(高島屋和菓子バイヤー公式) (@wagashibuyer) 2024年6月1日
やった!
2時過ぎの週末、並ばず買えるなんて!#山田家 さんの #白露ふうき豆 は大好物。ひと箱すぐ飲み干すもの。
いやはや、#日本橋三越 さんの #山形展… pic.twitter.com/UHEP4Th3N4
これは、憧れのブロガーさんが「絶品」「毎年行列」とおっしゃられていた『ふうき豆』!
かねがね気になっておりましたが、京都に住む私には縁遠いものと思っておりました。もしかしたら手に入るかもしれない...!
翌日、用を済ませた私は、全速力で東京に向かいました。
日本橋三越さんまでは総武線で一本。「新日本橋駅」で降り、地下道を歩いて三越さんへ。着いたら即エレベーターで七階の特設会場に上がり、『山田家』さんを探します。
果たして、『ふうき豆』はまだ残っておりました!
山田家 白露ふうき豆
こちらは260g入りの小箱です。
購入品のお日持ちは三日間。山形展の期間中、毎朝東京まで運んでおられるのでしょう。頭の下がる思いです。
タッパーに入れれば一週間ほど保つそうですが、
ふうき豆 は生菓子と同様に生もので
日一日と風味が落ちますので、お早目にお召上がり下さいませ
とありますように、少しでも早くいただくに越したことはありません。
箱を開けると、鮮やかなうぐいす色のお豆が姿を現します。
口に運んでまず感じるのは、ぶわっと強いお豆の香り。しかしふた口、み口といただくと、お豆の香りやクセは気にならなくなり、甘く滋味深い、なんともいえない美味しさが広がります。
まるであんぱんやお饅頭の皮を剥いで、中身だけをいただいているよう。心のどこかにあった「あんこをあんこだけで食べる」という夢が叶ったような気持ちになりました。
お豆には個体差があり、舌で潰せるような柔らかなものから歯応えのあるものまで様々。香りの強さもまちまちです。そのせいで飽きることなく、つい「もう一口」と手を伸ばしてしまいます。さらに、いつまでも食べていたくなるような絶妙な塩梅の甘さ。これは「食べ始めると止まらなくなります」とおっしゃるのも納得です。
ちびちび一粒ずつ食べるよりも、スプーンにもりっとのせて、ぱくりと口に含むのが一番美味しく感じるように思いました。そして何より、お茶がよく合います!日本に生まれたことを感謝したくなるような、ほっとするティータイムとなりました。
味の梅ばち 米沢牛弁当
この日は実家で晩ごはんを食べる約束をしておりました。
両親に『とっておきの山形展』のリンクを送ったところ、これが気になる、とのこと。奇遇ですね、私もこれが一番気になっていたのです!
すき焼きのお肉はとろとろで柔らかく、脂の旨みがぐっと伝わってきます。お肉を邪魔しない、甘く優しい味付けがとても私好み。普段は牛の脂身を苦手とする私ですが、こちらは脂が多いのにこってりした感じがなく、一折ペロリといただけそうでした。
卵は言わずもがな、お漬物の美味しさにも驚き。春らしい菜の花のお漬物を、母が大層気に入ってくれました。
「米沢牛弁当グランプリ 最高賞受賞」も納得の、大変ハイクオリティなお弁当でした。
高橋鯉屋 山形県産 鯉の肝甘煮
もう一つ、思わず立ち止まったのがこちらのお店。
嵐山の鰻屋さん『廣川』の鯉の洗いを食べて育ち、昔から鯉に目のない私です。眺めておりましたら、すかさず試食をくださいました。
これが美味しい!臭みが全くなく、ほろほろしっとりとした甘煮なのです。
「これはぜひ両親にも!」と思いまして、特に好きそうな『肝甘煮』を買ってまいりました。
『自社養殖ブランド鯉"宵桜“』の卵と肝のみを炊いた、贅沢な一品です。
これがこの日の一番のヒット、といってもよいくらい、我が家好みの味わいでした。山椒やお醤油辛さで誤魔化すことのない、真っ直ぐな美味しさ。
ひときわ大きいのが卵です。お箸で割ると白く艶やかな卵がたっぷり。なんとも幸せです。
レトルトパウチのものを試食に出しておられたのですが、レトルトとは思えない美味しさでした。帰宅後早速、「今年のふるさと納税はこれがいいわ!」とチェックしました。
デパ地下に移動
「折角だから、東京のものもお土産にしよう」と向かったのは地下一階。
お惣菜売り場をぐるぐるするも、観光客の身にはどれがいいのか全くわかりません。「滅多にない機会だから外したくない」「とにかくお高いやつにしてみよう...」と二品を選びました。
てんぷらと和食山の上 日本橋三越本店内
何もかもがお高いデパ地下において、群を抜いてお高かった天ぷら屋さん。現在休業中の『山の上ホテル』直営のお店だそう。
こちらで選んだのは「一個 二,〇〇一円」のかき揚げです。とんでもないお値段設定。これが人気No. 1だなんて、東京はいったいどうなっているのかしら!
あまりのお値段に不安になり、帰りの新幹線で母とやりとりしました。ちなみにお代は父持ちです。いつも本当にありがとう。
三越さんの中にはイートインがあり、揚げたてをいただくことができます。4,500円の天丼は、それはそれは美味しいことでしょう。
海老とイカのかき揚げ
おつゆは『天つゆ』と『丼つゆ』から選ぶことができます。今回は「天ぷらそのものを楽しみたい」という気持ちで『天つゆ』を選択。トースターでじっくりと焼いていただきました。
いただく前に、おつゆを味見したところ、目を見張る美味しさでした。
期待に胸を膨らませながら『かき揚げ』をいただきます。
おお、すごい、これほど海老とイカそのものを食べている気持ちになるとは。
かき揚げというより天ぷららしい、「素材の良さを味わってほしい!」という意図を強く感じる一品です。衣の主張は強くなく、海老もイカも歯応えよく揚げられているのですが、どうしても油のまわった感じが気になります。おつゆにしっかり浸した方が美味しいけれど、それはそれでなんだか勿体ないような...。
天ぷらというのはどうしても揚げたてが一番美味しく、お惣菜になった段階で随分とパワーダウンしてしまうものです。美味しいのは間違いないけれど、ベストタイミングではないことを思うと、少々残念な気持ちになってしまいました。
やはり天ぷらはお店で揚げたてをいただきたいものです。そしてそれが叶わないならば「丼つゆ」で炊いて天丼にした方が美味しくいただけたように思いました。
青柳 日本橋三越店
「756円?この小さなだし巻きが?」と我が目を疑ったお店。徳島発祥の料亭で、現在は東京の麻布台に本店を置いておられるそうです。
たっぷりのお出汁が、運ぶたびに滴ります。
鰹出汁の香り高さにぷるんとした繊細な食感、「ああ、美味しい」となるだし巻きでした。人生でいただいた中でもトップクラスに好きなお味です。
東京の料亭はランチで二万五千円からということで、おいそれと行ける場所ではありませんが、徳島のお店は一万円からだそうです。いつかまた徳島にドライブに行くことがあれば、奮発して伺ってみたいと思いました。
夕食を終えて
太っ腹な父のおかげで、贅の限りを尽くしたおうちごはんとなりました。どれも美味しくいただいたのですけれど、少なくとも今回いただいたものに関しては、山形展でゲットしたお品の方が、東京のものよりコストパフォーマンスに優れていたように思います。
京都に住む私は、北海道展や九州展などを「えらい高いし、甲斐ない」「でも行くよりは安いししゃあないか」という目で見ておりました。しかし東京では物産展で人が列をなし、常設のアンテナショップが至る所にあります。それがずっと不思議だったのですが、今回のお買い物をしてみて「もしかして、東京では名店の相場が高すぎて、東京の人には物産展が割安に見えてはるのでは?」と思いました。
もちろん、東京でもうまいこと探せば、お買い得な美味しいものがたくさんあることでしょう。住んでいない身からすると難易度は高く感じますが、また東京を訪れる日のために、ゆっくり情報を集めていきたいと思います。