ルコの甘味日記

甘いものを食べたり作ったり

いちご大福のマイ・ベスト。菓子司 山もとの可憐ないちご大福と胡麻餅。

今年もいちご大福の季節がやってまいりました。薄く透ける赤色の可憐さ、苺の甘酸っぱさとあんこのハーモニーに、瑞々しく柔らかな食感。いちご大福というのは美味しいものです。

苺というのは鮮度が命の、大変に繊細な果物です。いちご大福をいただいたとき、苺の水っぽさを残念に感じることは少なくありません。一方で、フルーツ大福の専門店さんなど、新しいお店は、果物の扱いはお上手ですが、どうしても餡の上品さやお餅の味わい深さの点で、歴史のある和菓子屋さんに敵わないことが多いように感じます。そのため、「美味しいいちご大福」に出会うのは難しくないけれど「全てが完璧ないちご大福」に出会うのは難しい、というのが私の持論です。

 

そんないちご大福の一つの完成形をお作りになるのが、本日ご紹介する「京菓子司 山もと」です。

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山もとは、東山と北白川にお店を構えられている和菓子屋さん。今回は銀閣寺の近く、北白川店を訪れました。

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午後には売り切れていることもある、いちご大福。朝に伺ったので、まだたっぷりありました。花びら餅や上生菓子は予約制となっています。

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もなかにみかさ、かすてらなど幅広いお菓子を扱っておられる、町の和菓子屋さんという風情です。

いちご大福と代表銘菓の胡麻餅をお持ち帰りしました。

 

ちなみに、今回お菓子のお写真を撮るのに、初めて一眼レフを使ってみました。もっとお菓子を美味しそうに撮れないものかと予々思案しておりまして、実家に眠っていたカメラを出してもらったのです。やってみますと、思ったところにピントを合わせるのがもう難しい!突っ込みどころの多いお写真になっているかもしれませんが、どうぞご容赦ください。

いちご大福

可愛らしいシールの貼られたラッピング。

包み紙を開きますと、柔らかなお餅に苺の透ける姿がなんとも可憐です。

一口齧りますと、苺の甘酸っぱさと瑞々しさに、しゃくしゃくとした歯応え。それを包む柔らかなお餅と白餡には、それぞれに控えめで優しい甘さがあります。お餅と餡が主役の苺を引き立て、何ものにも代え難い美味しさです。

 

いちご大福には普通の小豆餡と白餡、どちらの流派もございまして、鳴海餅本店さんなどは両方をご用意しておられますが、この山もとのいちご大福は白餡でなくてはなりません。小豆の皮が感じられるような粒あんですと、苺の滑らかな表面をぷちりと噛み切って柔らかな果肉に達する、その幸福感が損なわれてしまいますし、小豆の香りと強いお味に苺の繊細さが隠されてしまうことでしょう。そしてなんといっても、この美しさは白餡を使われているからこそです。

この絶妙な甘酸っぱさと大きさの苺がどちらのものかをお尋ねしたところ、「企業秘密です」とのことでした。数の確保の難しい、こだわりの苺をお使いになっているのだろうと思います。

 

今回、撮影用に二つに割ったいちご大福をいただいたとき、なんか違う、もっと美味しかったはず、と思いました。なんだか苺のお味がぼけているような、瑞々しさがほんの少し損なわれているように感じたのです。その後、いつものように丸ごと齧っていただいてみますと、いつも通りの美味しさ。そこで気づきました。

「いちご大福は丸齧りしないといけないのだ」と。

切ってしまった苺を齧る食感は、丸ごとを齧るときとどうしても変わってしまいます。さらに、慣れないカメラで撮影をしているうちに、中の苺がすっかり温んで、水分を失ってしまったようです。それで、いつもより美味しくないように感じたのです。なんて繊細なお菓子なのでしょう...!

お日持ちは「ギリギリ翌日まで」とおっしゃいましたが、こちらのお餅は寒いところに置くとすぐに固くなってしまいました。常温におき、苺の味が落ちない当日中、できるだけ早くいただくのがよろしいように思います。

代表銘菓 ごま餅

続きまして、可愛らしい一口サイズのお饅頭、胡麻餅です。

シンプルな焼き餅に胡麻を散らしたものですが、これがなんとも美味しいのです。

透明感あふれる、とろんとした甘いお餅に、しっとりと柔らかなこし餡が包まれています。お餅の焼き目が香ばしい。表面の黒胡麻は香りとお味が強く、ぷちぷちとした食感が楽しめます。

雑味のない、純粋な香ばしさを感じられるお饅頭で、いくつでも食べられてしまいそう。代表銘菓になるだけのことはあります。

おひとつ91円で、一つから気軽に購入できるのが嬉しいところです。もちろんご贈答品やお土産に最適な、お行儀良く並べられたお箱もあります。

 

山もとの和菓子は、あんこの軽やかさと、洗練された味わいが特徴であるように思います。

父が中学生の頃にはもう、山もとはいちご大福を作っておられたとのこと。いちご大福が生まれたのは1980年代といわれておりますから、きっと当時、最新の流行を取り入れた新商品だったのでしょう。その美味しさが受け入れられて早40年。今ではお店の看板商品のひとつになっています。

いちご大福のご用意があるのは、12月から3月末までとのことです。春が来るまでにもう一度、あの美しく瑞々しいお菓子を楽しみたいと思っております。

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