おはぎといえば「あんこ」と「きなこ」が定番ですけれど、それらと別に、ちょっと変わったおはぎをご用意されるお店もございます。
仙太郎さんですと三種類目は「七穀おはぎ」。とらやさんが毎年お彼岸にお作りになるおはぎには、「黒糖餡」と、京都以外では「白餡」(京都はきな粉)があります。
2018年の調査では、「おはぎの3種類目は何を思い浮かべますか?」という質問に、「黒ごま」「ずんだ」「青のり」という回答が多く寄せられたそう。
都道府県毎に最も多い回答で色分けしてみると、北日本・東日本は「黒ごま」、近畿を中心とした西日本は「青のり」が多いことが分かります。
(中略)
当初、おはぎと言えば定番のあんこのみでした。それが、江戸時代になると彩りや香りを出すため、京都であずき・白あん・きなこ・ごま・青のりが誕生。その後、全国に広がり地域ごとに口に合うものが残ったのだといいます。
京都に育った私ですけれど、「青のり」のおはぎなんて、いただいたことがありません。「黒ごま」は尚更です。
どちらも一度食べてみたいものだと思っておりました。
そんなある日、タカシマヤさんで、大原の味工房 志野が期間限定店を出しておられるのを見かけました。そこにあるではありませんか、「青のり」に「黒ごま」のおはぎです!
さらに「抹茶きな粉」なるおはぎもございます。志野のおはぎが大のお気に入りとなってから随分経ちますが、この三種類は初めて拝見しました。
喜び勇んで「青のり」と「黒ごま」を購入してまいりました。
おひとつ180gの大きなおはぎ。これがこの日の晩ごはんです。
志野のおはぎ 青のり
まずは青のりから。
一口めの印象は「磯臭い」笑。思わず笑ってしまうほど海の香りがします。
ごはん部分のお味は完全に青のりの支配下にありますが、二口め、しっかり餡と一緒に食べてみると、なんとバランスがとれているのです!青のりの香りとお味が、小豆餡の風味と一体化して、独特な、面白い美味しさです。餡の塩気と青のりの相性の良さを感じます。
食べ進めるうちに慣れてきて、だんだんクセになってくる感じがございます。でもついたこ焼きが思い出され、ゴハンかお菓子かわからなくて頭は混乱し続けています。
このややこしさに慣れ切る前に食べ終えてしまいました。最後まで、青のりは「香り」というより「匂い」を発しているという風に感じました。
志野のおはぎ 黒ごま
こちらは、食べた瞬間「中華のゴマ団子だ...!」と思いました。
黒ごまが香りよく、志野の本領である、ごはんの美味しさをしっかりと感じます。ごま部分には甘さがないため、きな粉と同様、おはぎの甘さを控えめに感じさせる効果があります。
私はお餅のバリエーションの一つとして「ゴマ餅」をよく作ります。擦りごまにお砂糖とお醤油を少し混ぜ、お餅にこれでもかと纏わり付かせたもので、しゃりしゃりとした食感とごまの香りが美味しいのです。
食べる前はこれに似ていると予想していたのですが、こちらと比べるとごまの量が少なく、代わりに餡の主張が入ってきます。餡が主役になると、一気に味がゴマ団子に寄る、というのは面白い発見でした。
さて、これが好きかと言われますと。
中華料理屋さんで最後に出てくるアツアツの揚げたてゴマ団子と、おうちで食べるこれとどっちが好き、と言われたらゴマ団子に軍配をあげたくなります。お餅が油を吸っているのも、中の餡がアツアツなのも反則級に美味しいので、いくら大好きな志野のおはぎといえども太刀打ちできないのです。一方で、冷めて油のまわったお惣菜のゴマ団子と比べますと、油っこさのないこちらの方が私は好きです。
どちらのおはぎも、甘くて香りの強いごはんが柔らかくもちもちとして、青のりと黒ごまの香りと合わさり、とっても美味しいです。ただ、どうしても私は、いつもの「あんこ」と「きなこ」の方が好きであるように思いました。
こちらの方が好き!という方もいらっしゃるでしょうし、何度か食べているうちに、慣れてきて大好きになるかもしれません。今後お見かけしたときは、「あんこ」や「きなこ」と代わりばんこに食べるために、こちらも買うことはありそうです。
また、この夜、志野のおはぎを好きなだけおはぎを食べるチャレンジをしてみました。結果としては、一つ半ぐらいで甘さがしんどくなってしまいました。このおはぎを一番美味しくいただけるのは200gぐらいまで、というのも今回の発見です。
少しだけバレンタイン気分を
この日には、特設会場でアムール・デュ・ショコラ2024が始まっており、おはぎ片手にぶらりと見て回りました。しかし、何を見ても「でもさっきおはぎ買ったしなあ」とスルーしてしまいました。
こういうとき、やはり私は洋菓子より和菓子に目がないのだと感じます。
洋菓子も勿論大好きで、いただいたら大喜びするのですけれど、自分で買うくらいなら作りたい!と思ってしまうのです。それは、ベイキングの楽しさを知ってしまっているからです。
私の手作りはまともなプロのお菓子には劣りますし、特にチョコレートの扱いなどは足元にも及びません。それでも、いただきものやお土産を楽しんだり、時々お気に入りを買うくらいで、和菓子ほど貪欲さを持って追いかけることはしていません。
この翌週にお友達とタカシマヤさんを訪れたときには、マリベルのジェラートと定番のレオニダスをいくつか購入しました。
ブログは和菓子のことばかりですが、ちゃんと #タカシマヤ さんの #アムール・デュ・ショコラ にも行ってきました。お写真は #マリベルニューヨーク の #ジェラート、#ミルクチョコレート と #アンジェリーナ です🥰 pic.twitter.com/WuORB1VlYg
— ルコ (@B5Y2q) 2024年2月3日
私はミルクチョコ、お友達はトロピカルなアンジェリーナの方がお気に入り。どちらも濃厚で、負けず劣らずの美味しさでした。
マリベル、全国に出店しておられるものと思っておりましたら、京都店と岡山店だけだとか。京都では一等地に大きなブースをもつ人気店ですから驚きです。マリベルのチョコレート、どうやら京都土産にもよさそうですね。