ルコの甘味日記

甘いものを食べたり作ったり

日本橋 榮太樓總本鋪の本店でいただく、ほかほか焼きたて金鍔。

随分前のことになりますが、日本橋三越から東京駅に戻る途中、気になるお店を見つけました。

煌びやかながらお上品、そして都会らしい垢抜け感を持ちあわせたお店構え。日本橋榮太樓總本鋪の本店でした。

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イートインであんみつや焼きたての金鍔がいただけるよう。素敵!!と思ったものの、その日は新幹線の時間が迫っていて立ち寄ることができず、再訪の機会を伺っておりました。

昨年末、お友達と東京駅近くでお茶でも、というお話が持ち上がり、ここを提案させていただきました。

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ビルの名前からして榮太樓ビルディング。なんと安政4年(1857年)からこの地でやっておられるそうです。今回ご紹介する金鍔は、このころからの看板商品です。

戦前には、東京繁盛菓子屋番付に大関や横綱として度々掲載され、 東京随一の繁盛店として認知される存在になりました。

引用:EITARO 200TH ANNIVERSARY|榮太樓總本鋪

この番付、先日行った特別展「和食」で見たやつだわ!とテンションが上がってしまいました。ずっと東京のお菓子界を牽引してこられたのですね。

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入ったところは飴やかりんとうなど日持ちのするお菓子、右手手前がイートイン、奥はご進物と生菓子の売り場になっています。

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カラフルな缶かんがずらりと並んでいるのが可愛い。こちらのポケット缶には画家の中原淳一さんやFAUCHONとのコラボレーション商品もあり、なんだか東京っぽさを感じます。

www.eitarosouhonpo.co.jp

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年末ということで、お正月限定の商品も置いておられました。獅子舞のお箱が可愛らしい。梅ぼ志飴をひとつと、両親へのお土産に生菓子をいくつか購入しました。お持ち帰りしたお品については、また日を改めて書きたいと思います。

榮太樓總本鋪のカフェ Nihonbashi E-Chaya(ニホンバシ イーチャヤ)

さて、本日の目的地はこちらのイートイン。Nihonbashi E-Chayaというカフェスペースです。

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カウンターで注文・お支払いをして、お水などはセルフサービス。カジュアルな雰囲気です。

なにより目をひくのがカウンターに並ぶ「飴みつ」!榮太樓あんみつパフェを頼むとかけていただけるようです。興味を惹かれつつも「焼きたて」の響きに抗えず、金鍔にいたしました。

焼きたて 名代金鍔

金鍔は注文を受けてから焼くスタイルですので、注文から20分程かかります。お友達とお話ししていますとあっという間でした。

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焼きたての金鍔は、すぐにかぶりついても問題のない、ちょうど良い温かさです。一口食べて、皮の薄さに驚きました。これまで食べてきたきんつばとは全くの別物です!あんこを手で持てるようにするためだけに包んだような、薄く柔らかな皮。その中に風味のよいあんこがいっぱいに詰まっています。焼きたてならではの皮のもっちりとした柔らかさがあんこを引き立て、えもいわれず美味しいです。上面の黒胡麻の香ばしさが格別で、中心部にたっぷりのせられてはいるのですが、もっと全面にのっていてほしくなるほど。温かいならではのあんこの軽さがあり、結構な大きさにも関わらず、ぺろっといただいてしまいました。

先日、四ツ谷のわかばさんでたい焼きをいただいたときにも感じましたが、寒い日に温かいあんこをいただくことでしか得られない幸福感、というのがあるように思います。それも、もったりとした甘い甘い粒あんのかたまりを齧る、そのことにある種ワイルドな、気分を一気に高揚させる力があるのです。

私が京都の冬にいただくのは、お汁粉に葛湯におぜんざい。思わず目を閉じて味わいたくなるような、じんわりした和菓子の美味しさに慣れた私には、東京の和菓子の目を見開かさせられるような、勢いのある美味しさが新鮮に感じます。

www.youtube.com

Youtubeに工場の動画があがっておりました。いかにも大量生産の趣ですが、包む作業は職人さんでなければできないよう。本当にほんの少しの生地からお作りになっているのですね!そうでなければ、この皮の薄さにはならないのでしょう。大変面白く拝見しました。

狭山茶(ホット)

お飲み物は狭山茶をお願いしました。飲み方のご説明をしていただけるのですが、それがなかなか複雑かつ早口で笑ってしまいました。

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要は、一番上の蓋だけをとり、その下の茶こしを数回振ってから取り出し、蓋の上におきます。一煎目を飲み終えたら、茶こしだけを戻し、カウンターに行って二煎目を入れていただくことができる、ということでした。砂時計は二煎目のために添えられていたのですね。

お茶そのもののお写真を撮るのを忘れておりましたが、きれいな薄緑のお煎茶です。二煎目で味が薄くなることも、苦み渋みが強くなることもなく、美味しくいただきました。

 

ゆっくりする、というよりは小休憩に適したカジュアルなカフェでしたが、温かな接客で居心地がよく、焼きたての金鍔というユニークな体験ができました。あんみつパフェやお赤飯のおむすび、お団子など気になるものがたくさんあり、何度でも行きたくなるお店です。次こそはあんみつパフェを、と思いますけれど、あの温かいあんこのなんともいえない幸福感を思い返すと、また金鍔を頼んでしまいそうな気がしてくるのでした。

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