先日、仙太郎さんと志野のおはぎの記事を書いた折、京都のおはぎの有名どころを調べました。その時目にとまったのが、京都駅近くの「七条 松屋」さんの名物、特大おはぎです。
私も両親も聞き覚えのないお店でしたが、創業は昭和20年とのこと。とんでもなく大きな、美味しいおはぎを作っておられるということで、お試しする機会を伺っておりました。そして一昨日、京都駅に所用で行ったついでに寄ることができました。
お店は七条通沿い。もっと歩くかと思いましたら、驚くほど京都駅から近いところにあります。京都タワーから徒歩五分もかからないのではないかしら。
老舗感溢れるお店構えです。
この日、置いておられたのはおはぎに最中、お干菓子のみ。おはぎに力を入れておられるのがわかります。
お土産スペースもありました。京都駅に近いこともあり、観光客の方がたくさんいらっしゃるのだろうと思われます。
松屋製菓の名代 おはぎ
購入したのは一つ入り。
蓋を開けた瞬間、あまりの大きさにわぁと声をあげてしまいました。
蓋を開けるまで、この正方形のお箱に、俵型のおはぎが左右どちらかに寄った状態で入っているのを想像していたのです。こんなにまるまると、お箱いっぱいに入っているとは!直接目にすると、大変な迫力です。
必然的に、普段おはぎには絶対に使わないサイズのお皿にのせることになります。この大きさ、伝わるかしら...!
いただいたカードと並べてみました。このカード、普通の名刺サイズ(55mm×91mm)なのです。長辺は10センチほどありそうです。もちろん、重さも相当なものです。
カットしてみると、ごはんの柔らかさに驚かされました。へにゃんと包丁が入るのです。
餅米は半殺しとまではいかないまでも、ほとんどそれくらい潰れているようにお見受けします。そして淵のあんこの分厚いこと...!見るからに水分の多いあんこがつやつやと光ります。
家族三人で三分割していただきました。
ひと口食べて、美味しい、と申しました。柔らかく炊かれた餅米はもちもちとしながらも、まるでお粥のようにすうっと溶けていきます。水分が多く柔らかそうだったあんこは意外にも、小豆の粒が口の中に残る、食べ応えのある仕上がり。恐らく、水分たっぷりの柔らかいあんこと、甘納豆のように食感を残した硬めのあんこを別々に炊いて、後から混ぜておられるのではと推察いたします。ごはんと柔らかなあんこの口溶けに、程よい甘さと硬さの甘納豆のような食感が合わさり、なんとも楽しいおはぎです。
あんこはしっかりとした甘さと寒天が感じられ、どことなく羊羹を想起させます。ごはん部分には味つけがされておらず、あんこの引き立て役といった趣。総じて、「お菓子」と「ゴハン」でいえば「お菓子」の性質の強いおはぎであるように思います。
このおはぎ、最初はちょうど良い甘さだと思ったのですけれど、食べ進めるうちに甘さとボリュームにやられてきてしまいました。私の甘さ耐性はなかなかのものだと自負しておりますので、三分割でも一人前には少し多いのではと推察いたします。四人で食べるくらいが、一番みんなが美味しく食べ終えられるのではないかしら。
でも、四分割だとちょっと物足りない!と思うような気もいたします。そのときはおかきなど、しょっぱいものを添えれば、双方をより美味しくいただけるのではと思います。
巨大な見た目のインパクトが絶大なだけではなく、食感のコントラストに意外性があり、大変楽しいおはぎでした。大きさを考えるとリーズナブルなお値段も魅力です。親しい方と集まる時など、手土産にすると盛り上がるのではないでしょうか。
実は年始早々、今西軒のおはぎを予約しており、今週ついに、そのピックアップに伺う日がやってきます。前回いただいたのはもう随分前で、お味を忘れてしまっておりますから、京都一といわれる名店のおはぎを久々に味わうのがとても楽しみです。次回はその感想などを書ければと思っております。