先日赤坂の方で用事があり、かねてより気になっていた赤坂青野さんに寄ることができました。お目当てはごま名月に草だんご、赤坂もち。お名前は耳にするものの、デパートに店舗を持っていらっしゃらないこともあり、今回が初めての訪問です。
六本木のビル街を抜け、坂を下りると、張り詰めた空気がやや柔らかくなり、カジュアルなお店もちらほらとあるエリアへと出ます。赤坂青野さんの本店はこちらにありました。
店内には種々のお菓子が並んでおります。日持ちのするお菓子だけで、こんなに種類があるとは驚きました。どれもひとつから購入することができ、自分用のお土産に、あれもこれもとお持ち帰りしたくなってしまいます。
生菓子には、季節の栗のお菓子がずらり。残念ながら草だんごは売り切れていたものの、ごま名月が残っており、内心ガッツポーズをしました。
ごま名月と赤坂もちに加え、直感的に気になった栗饅頭、一つぶを購入しました。
ごま名月
まずはごま名月から。こちらは生菓子ですので、当日中の消費期限です。柔らかなお団子に、なんともちょうど良いサイズにカットされた栗がのせられ、ごまの香るみたらしだれがかかっております。甘辛く香ばしいたれは、きんぴらごぼうや照り焼きといったおかずを思い出しました。大きく食べ応えのあるお団子と、栗のこりっとした食感の組み合わせに、このたれが絶妙に合っていてとても美味しいです。見た目もつやつやで美しい。個性的ながら万人に愛される、素敵なお品だと感じました。
赤坂もち
続いて赤坂もち。こちらはお日持ちがするということで、京都に戻ってからいただきました。
持ち運びも安心なパックに入っています。オンラインショップのページに、食べ方の記載がありますので、こちらを参考にしつつ器に取り出しました。
わらび餅のようなつやのあるお餅がふたつと、たっぷりのきなこが入っています。付属の「おくわし」で切ろうとすると、あまりの柔らかさに驚きました。にょんとよく伸びるお餅を小さく切り、たっぷりきなこを絡めていただきます。黒糖の甘みと、きなこと胡桃の香ばしさが美味しく、なんともほっこりするお菓子です。温かいお茶によく合います。
以前、山梨を訪れた際、お土産に桔梗信玄餅を買って参りました。あちらはよく似ているものの、黒蜜をかけていただきます。それに対し、こちらはお餅自体に十分な甘さがありますので、きなこに甘みがなく、黒蜜などをかけなくても、ちょうど良い甘さになるよう計算されています。また、お餅の中の胡桃が大変に良い仕事をしており、胡桃を入れようという発想になられた方に拍手を送りたい気持ちです。
気になるのは、きなこが絶対に余ってしまうこと。これはもうそういうものと割り切って、小さなタッパーにでも移し、別の機会にいただくのがよさそうです。私はきなこもちが大好きで、冷凍庫にきなこを常備し、日頃からよくいただいておりますので、こんなにお豆のしっかりと香る、上等なきなこが余るのは大歓迎です。
一つぶ
最後に、一つぶをいただきました。なかなか地味な、無骨な印象すら受けるパッケージではありますが、中のお饅頭は鮮やかでつやつや。
この栗饅頭の特徴は、丸ごとひとつぶの栗が入っていることです。綺麗に中央に収まっていました。
この栗饅頭、非常に私好みでした。しっとりとした、しっかりと甘い蜜煮の栗が口どけのよい餡と合わさり、調和のとれた美味しさです。栗を存分に楽しめる比率。栗饅頭は、どこかぱさっとした食感になるものが多く、あまり好んで買うお菓子ではなかったのですが、こちらの蜜煮と餡は、ぱさぱさ感が全くありません。今回購入した中で、最も嬉しい驚きのある一品でした。
この蜜煮の美味しさ、きっと栗かの子や栗蒸し羊羹も美味しいことだろうと思います。栗大福にたいそう沢山栗が入っているようお見受けするのも素敵ですし、その横のらむれーずん大福も気になります。
お値段は、ごま名月と赤坂もちがおひとつ220円、一つぶが250円。この物価高の時代において、このお値段は相当頑張っておられるように感じます。常温で12日も日持ちするお菓子は手土産に最適ですし、いろいろと種類がありますので、詰め合わせにしても楽しいことでしょう。赤坂もちのきなこの処遇だけが、手土産にするときの懸念点としてありますが、美味しさはお墨付きです。
東京駅など、もっといろいろなところで買えると嬉しいのですが。赤坂の方に行く際は、ぜひまた訪れようと思ったのでした。