気づけば六月もあと少し。
「六月のうちに水無月を食べなくちゃ!」ということで、先日『仙太郎』さんに行ってまいりました。
仙太郎 本店
タカシマヤさんのすぐ横にある本店です。
お目当ては「みなづき」。
ショーケースに姿が見えず、「あらっ売り切れ!?」と思いましたが大丈夫でした。
レジの後ろに、こんなにたくさん控えていたのです!なんて幸せな光景。
無事に全種類をゲットすることができました。
店内を見ておりますと、「若あゆ 解禁」の赤い字に目が留まりました。お店の方いわく、「毎年、本当の鮎の解禁日に合わせて販売を開始しているんです」とのこと。
夏といえばやはり「若あゆ」です。こちらも一疋、連れて帰ることにいたしました。
みなづき 白と黒と抹茶
仙太郎さんといえば、の包み紙。
こちらの「おはぎ」で育った私は、この紙を見るだけで、なんだかほっと温かい気持ちになります。
中は竹皮風のラッピング。
早速「白」からいただきます。
こちらの水無月の特徴は、もっちもちのお餅のような外郎生地。ねっとりとして口溶けがよく、普段外郎を好まない私ですが、この生地は大好きです。
「白」は小豆の味わいを一番感じられ、上質でシンプルな甘みを楽しむことができます。ぎっしり敷き詰められた小豆は形を残しつつも、舌で潰せるような柔らかさ。
続きまして、我が家で「一番美味しい」とされている「黒」。
あんみつの黒蜜を口に含んだときのように、濃い黒糖の旨みをたっぷりと感じることができます。
ラストは「抹茶」です。
ほんわりと香る抹茶が優しく、美味しい水無月です。
『仙太郎』さんの「みなづき」の中で、我が家では「黒」が一番人気です。それは、私たちが基本的に濃い、重いものを好む傾向にあるためです。
しかし、この日の私は「白」を一番、「抹茶」を二番目に美味しいと感じました。きっと、じめじめと暑い日でしたので、より軽やかなものが気分に合ったのではないかしら。
「こういう日もあるのねえ」と面白く思いました。
氷のかけらに似せた、涼やかなお菓子。
毎年いただいていますが、「やっぱり『仙太郎』さんの水無月は美味しいな」と、しみじみと感じました。
若あゆ
もう一つ購入した「若あゆ」。
こちらも毎年必ずいただくお菓子ですが、『仙太郎』さんのものは初めてかもしれません。
まず手にとって思ったのは「大きい!重い!」。
でっぷりとした姿に、思わず体重を測ってしまいました。
61 g、つまり149.5 kcal。「若あゆ」にしてはかなり大ぶりです。内容量は1「疋」。
中には求肥がぎっちり。
皮は目が詰まっており、噛みごたえがあります。包まれたたっぷりの求肥も負けていません。蜂蜜の香りと優しい甘さを感じながら、もっちもっちぎゅむぎゅむ、といただいていると、なんとも言えない幸福感に包まれます。
夏の暑い日でも一疋するんと食べてしまえる、シンプルで甘さ控えめなお菓子でした。
子供の頃、私に季節の移ろいを教えてくれたのは、祖父が「おはぎ」とともに買ってくる『仙太郎』さんの季節の和菓子でした。祖父の亡くなった今は、母との「ぼちぼちアレ食べたいよね」という会話が、その代わりとなっています。
これから先、家族の形が変わっていっても、その時々の大切な人たちと四季を楽しめますように。『仙太郎』さん、これからもよろしくお願いいたします。