ルコの甘味日記

甘いものを食べたり作ったり

桜餅のマイ・ベスト。年中食べられる、鶴屋寿の嵐山さ久ら餅。

早いものでもう三月。桜餅の季節がやってまいりました。

幼いころから、このもちもちした春色の和菓子が大好きで、「暖かくなってほしい」というより「早く桜餅が食べたい」という気持ちで春を待ち望んでいたように記憶しています。

そんな私が「人生で一番食べた桜餅は?」と問われればやはり、おはぎとセットで買ってこられていた『仙太郎』さんのものだろうと思いますが、「今の一番のお気に入りは?」に対する答えは異なります。

 

それは、嵐山にある『鶴屋寿』さんの桜餅。

我が家がこちらのお店を知ったきっかけは、数年前の婦人画報の記事でした。

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試しに一度買ってみたところ、なんとも品よく美味しい。それ以来、春になると父がサイクリングついでに買ってきてくれるのがお決まりとなりました。

 

嵯峨嵐山 うなぎ屋 廣川

今回記事にするにあたり、前々から父に「私を『鶴屋寿』さんに連れて行って!」とお願いしておりました。約束の日、父が予約してくれていたのは、嵐山の鰻屋さん『廣川』です。

曽祖父の代から、我が家が鰻を食べるとなればこのお店。

関西風ではなく江戸前鰻のお店ではあるのですが、嵐山といえば真っ先に思い浮かぶほど思い入れのあるお店ですので、併せてご紹介できればと思います。


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コロナの頃からでしょうか、完全予約制になっています。

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まずはきも焼き。

お写真では焦げが目立ってしまっておりますけれど、この肝には肝特有の「苦味」や「雑味」といったものが全くありません。その苦味の無さは、物心ついたときには既に、このきも焼きが大好物になっていたほどです。

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鯉の洗い。甘みのある鯉を、なんとも美味しい酢味噌につけていただきます。

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うざく。鰻の身の美味しさを存分に堪能できます。

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うな重と肝吸い。ふわふわと柔らかい鰻は、至福のお味です。甘いたれも大好き。

何時いただいても大満足の、美味しい鰻でした。

 

京都嵐山 御菓子司 鶴屋寿

はてさて、本題に戻ります。

『鶴屋寿』さんがあるのは、メインストリートから少し離れた裏道沿い。

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大変ひっそりとしたお店構えに、観光客の方々は目もくれずに素通りしていきます。

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中に入ると、華やかなお箱がずらり。

繁忙期なのでしょう、梱包作業でとってもお忙しそうでした。


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看板商品の「さ久ら餅」はおひとつから購入できるようですね。

最中にお汁粉、羊羹などもあります。

 

いつもの15個入りを購入いたしました。帰宅後、早速撮影会です!

 

嵐山さ久ら餅

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自宅用のサービス箱も、薄紙に包んでくださいます。

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こちらの桜餅、なんと常温で四日間(夏季は三日)のお日持ちです。流石、手土産のために作られただけのことはあります。

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開けると、ぶわっと桜の香りが広がります。

ずらりと並ぶ小ぶりな桜餅。

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おひとつ取り出してみました。底抜けの奥ゆかしさを感じます。

 

なんだか申し訳ないような、こちらまで恥ずかしくなってくるような気持ちになりますが、えいっと上の葉をめくりました。

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美しいです。

道明寺の瑞瑞しさに艶やかさ、薄く透ける赤みがかった小豆餡。惚れ惚れとしてしまいます。

こちらではお餅への着色をせず、「白い」ことが特徴。そのことも、この桜餅をさらに清楚に、奥ゆかしく魅せています。

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切ってみました。中にはこし餡。この色味も控えめで、柔らかい印象です。

 

いただきますと、大変気品のある、儚さすら感じるようなお味です。この繊細さが桜という木のイメージにぴったりで、桜餅とはかくあるべき、と思わされます。

柔らかく伸びのいいお餅が、お上品なこし餡を包み込んでいます。餡の口溶けのよさと対照的な、舌に残る道明寺の粒感と甘み、そして飲み込んだあとも続く小豆と桜の香り。個々の要素は控えめながら、全てが調和したときの豊かな味わいは何物にも代えられません。

葉っぱは薄く柔らかく、塩気が控えめ。葉まで繊細なのかと驚かされます。桜餅といただくと、しゃくしゃくとした葉脈の食感と塩気とのマリアージュを楽しむことができます。葉にはほのかな苦味があり、一緒にいただくと桜餅の甘さがさらに控えめに感じられます。

 

全体として、美しく儚い見た目に違わぬ、繊細で気高いお味の和菓子です。

一つが大層小さいので、続けて二つはいただかないと満足できません。三人家族の我が家はいつも15個入りを購入しますが、翌日には無くなってしまいます。

翌日にはお餅がやや固くなるものの、道明寺の粒々との一体感が増し、それはそれで美味しくいただけます。とはいえ、なるべく早くにいただいた方が、この桜餅の繊細さを最大限楽しめるように思います。

 

桜餅の葉っぱは食べるのか問題

今回の記事を書くにあたり、『鶴屋寿』さんについて調べていましたら、こんな記述を見つけました。

 一緒に食べなくても、すでに桜の葉の香りはしっかり染み込んでいるんだそう。

「葉そのものはちょっと苦味があるので、お取りいただいて、道明寺の風味、食感を楽しんでほしいなと思います」

出典: 白い桜餅が嵐山名物になるまで。桜餅専門店 鶴屋寿の菓子づくり | 中川政七商店の読みもの

なんと、葉っぱを食べないことを推奨されています!

 

桜餅の葉っぱ、食べるものだとばかり思っておりました。

しかし、こちらの葉は苦いので、あまり得意ではなく。「葉っぱ無しの方が美味しい...。」と内心思いながら、全剥きして食べるのはお行儀がよくないはずだと、控えておりました。

その結果、なるべく葉は葉だけで口に運ぶようにしつつ、桜餅と並行して食べ進めていたのです。

これからは、気兼ねせずに全部剥き、甘くて美味しいところだけをいただくことができます!

 

とはいえ、この葉もこだわりの上質なものです。捨てる気持ちにはどうしてもなれませんでした。この事実を知った後も、葉は葉だけでもぐもぐと、二枚ともいただいております。好きなものは後にとっておく性分ですから、「完全に捲って葉を食べる」→「桜餅をちびちびといただく」という流れが完成しました。

それでも、同時に食べ進めていたころより幸せ度アップです。

 

こちらの桜餅は、通年販売の商品です。

嵐山の主要な観光地にほど近く、常温で数日のお日持ちですから、京都土産にも最適です。

今西軒さんのおはぎにも通じるような、京都らしい繊細な桜餅。是非一度、お試しいただければと思います。

 

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ソウル旅行記3 クッキー、人間味のあるロボット、参鶏湯

【2024年2月韓国旅行|目次】
ソウル旅行記1 計画、出発、夜市で晩ごはん
ソウル旅行記2 茹でカイコ、美術館、パン屋さん
ソウル旅行記3 クッキー、人間味のあるロボット、参鶏湯
ソウル旅行記4 朝カフェ、ローカルなお祭りと商店街
ソウル旅行記5 伝統菓子、パンスイス、帰国
ソウル旅行記6 辛ラーメン、蟹ダシダ、首カイロ

 

旧市街でクッキーをいただく

昼食後は『北村韓屋村』に。伝統的な家屋と入り組んだ路地が特徴のエリア、ということですが、新しい建物も多く、それほど旧市街という感じはしません。今回訪れた中では、一番外国人観光客の姿を多く見ることができましたが、それでも多くが韓国の方のようでした。

飲食店と雑貨屋さんの並ぶ観光地

高級香水屋さん『TAMBURINS』からの景色。上から見ると歴史を感じる街並みです

この近くのお店で、クッキーを購入しました。私はアメリカンなソフトクッキーが大好物。大きなアメリカンクッキーを韓国のカフェではよく見かけましたので、どこかでお試ししたいと思っていたのです。

『Bella Cookie』というクッキー屋さん

抹茶マカダミア味を選びました

分厚くてずっしり重たい

一枚4,800ウォン(539円)でした。なかなか強気の価格設定ですね。

割る時の固さに戸惑いましたが、いただいてみて納得しました。尋常でない量のチョコレートが生地に入っているようです。冷たい状態でしたから、チョコの固さがそのままクッキーの固さに。分厚いこともあり、ばりんばりんと食べ進めていきます。甘さは控えめで、抹茶は慣れ親しんだ日本の抹茶と同じ味です。

ソフトクッキーを期待していましたら、初めての食感にびっくりいたしました。これだけチョコが入っているのですから、温めると生地が柔らかくなり、より軽く、風味豊かにいただけるのではと思います。もしまたいただく機会があれば、レンジやトースターで温め直していただいてみたいものです。

 

おしゃれなカフェや雑貨屋さん、ニューバランスなどのショップをぶらぶらと見ながら街を歩きます。

そうしているうちに、お手洗いに行きたくなってきてしまいました。「どこかお手洗いを借りられる場所はないかしら...!」と辺りを見渡してもそこは観光地です。ショップやトッポッキの屋台がお手洗いを貸してくれることはありませんし、お腹がいっぱいなのにそのためだけにカフェに入るのは悔しい。

お友達と「だいたい見終えたね、次はどこ行こうか?」などと話していながら、頭の中はどうしようという気持ちでいっぱいです。

 

最寄りのバス停を確認しようと地図を開いたとき、すぐ近くに素晴らしいものを見つけました。

『国立現代美術館ソウル』ですって!

午前中に訪れた国立現代美術館の、本館といえる建物です。

即座に「ここ行こう!」と申しました。美術館好きのお友達は二つ返事でOK。

無事に辿り着き、綺麗なお手洗いを使わせていただくことに成功しました。

 

国立現代美術館 ソウル館

大きく綺麗な美術館です

旧正月ということで、こちらも全ての展示が無料。

一人のアーティストに絞った展示をしていた徳寿宮館とは異なり、こちらには韓国の新進気鋭のアーティストたちの、非常に多様な表現方法による作品が並んでいました。

映像作品や大型作品もたくさん!

一番印象的だったのがこちら。권병준(Byungjun Kwon)とおっしゃる方の展示です。

ウィンウィン動くロボットたち

簡素化された「人間らしさ」を、機械を使って表現

この子からは能面の「照ル」「曇ル」のようなものを感じました

機械音を立てながら動くロボットたちの見せる表情、哀愁、世紀末感が最高でした。元来メカメカしいものが大好きな私にクリーンヒットです。

 

入館したのは16時半ごろ。ぎりぎりではありましたが、18時の閉館までに全ての展示を見終えることができ、大満足の体験となりました。しかも無料だなんて、こんな幸運があってよいのかという気持ちです。

国立現代美術館は韓国内の四ヶ所にあり、それぞれに特色があります。中でもソウル館は「いま制作されている」現代美術や新しい形式のアートに特化しているとのこと。予定外の訪問ではありましたが、今後「ソウル観光のおすすめは?」と聞かれたら、真っ先にここを答えようと思うほど、お気に入りのスポットとなりました。

こちらも閉館まで大変な賑わいで、やはり日本人を含めた外国人の姿はほとんど見られませんでした。韓国政府が現代美術に力を入れていること、そしてアートが国民に愛されていることを感じました。

 

参鶏湯の有名店『土俗村』

この日のお夕食は、参鶏湯の有名店に行ってまいりました。

ほとんど観光地のようになっています

参鶏湯の食べ方

観光客に人気なだけあり、日本語メニューも完備でした。

コショウとお塩を小皿に入れ、鶏肉は各自がこれで味付けして食べるのだそう。

お突き出しのキムチと生のにんにく、甘い韓国味噌

烏骨鶏(Black Chicken)の参鶏湯

丸ごとの鶏さんは小骨が多く、うっかりすると飲み込んで喉にささってしまいそうです。次から次に出てくる複雑な骨格。つい、食べるのに必死になってしまいます。鶏肉は塩気がほとんどないので、確かに塩コショウやお味噌をつけるとぐっと美味しくなります。スープは塩分控えめで鶏の旨味がたっぷり。

鶏さんの中にはお米やデーツ、栗、高麗人参が入っています。高麗人参のお味が衝撃でした。食べ物とは思えない苦さ。完全に薬です。コーヒーも飲めない私には大変つらい食材でした。

付け合わせのキムチは辛くて、合間に食べようとすると口の中が燃えるようになり、鶏出汁を味わうどころではなくなります。生にんにくもすごい刺激。玉ねぎの仲間だと痛感させられます。お味噌が辛くないのが幸いで、鶏さんの中から出てきたお米はお粥のようになるのですが、こちらによく合います。

ローストチキン。自家製のケチャップが美味しい

夕食を終えると、すぐには立てないくらいお腹いっぱいになってしまいました。この時点で20時ごろでしたが、外が寒すぎるので、この日も夜の観光はせずにホテルに戻ることにしました。

 

ホテルまでは地下鉄で帰りました。

韓国では地下鉄やバスを何度も利用しましたが、印象的だったのは車内の静けさです。みな喋らず静かにスマホを見ていて、お友達と会話するのを遠慮してしまうほどでした。日本の公共交通機関の方がよっぽど賑やかなお客さんが多いと感じます。

街中でも騒ぐ若者を全然見かけません。この参鶏湯のお店は、神保町にどこか似た雰囲気の飲み屋街にありましたが、その周辺でも静かなものでした。

日本人はおとなしい、何考えてるかわからないと欧米出身のお友達には言われますけれど、韓国の方々にはそれ以上のおとなしさを感じます。立場が逆転してみれば、日本人の抑制的な静かさを不気味に感じるという、欧米の方々の気持ちが少しわかったような気がいたしました。

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京都のベーカリーの絶対王者。たま木亭の沼にハマった私のおすすめ。

京都の人はパン好き、というのは有名な話です。

市内にもたくさんの人気店がありますが、京都「府」全体で一番人気のパン屋さんがどこか、ご存知でしょうか。


食べログの「京都のパンのお店」ランキングで絶対王者として君臨している『たま木亭』。

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このパン屋さんは、宇治の『黄檗』という超マイナーな町にあります。

『黄檗』は、大学と自衛隊の駐屯地がある以外は、ごくありふれた住宅街。にもかかわらず、パンを買うために連日たくさんの人が訪れ、列を成しているのです。


私が『たま木亭』を知ったのは、大学の宇治キャンパスに通っていた頃です。

やたら人の並んでいるお店がキャンパスの目の前にあり、「そんなに美味しいの?」と半信半疑で買ってみたら、世界が変わってしまうほどの美味しさ。すぐに両親に布教しました。

私が宇治を離れた後も、「たま木の味」を知ってしまった私たちは、もう他のパン屋さんでは満足できません。数ヶ月に一度は、両親が宇治まで行って、大きな紙袋とクーラーボックスいっぱいのパンを買ってきてくれるようになりました。

京都宇治 たま木亭

先日、古巣の研究室を訪れた折、『たま木亭』にも寄ってまいりました。

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平日の朝だったため、それほど並ばず入店できました。

サンドイッチと生菓子
上段はお惣菜パン、下段は菓子パン
まだまだあります。右の写真の一番手前は洋風あんぱん

『たま木亭』の魅力の一つは、パンのバリエーションの多さ。この種類と人の多さに圧倒されますと、つい買いすぎてしまうので、気をつけなければなりません。

ハードパンにクロワッサン、食パン。名物のクニャーネも。

レジ横には、オーナーのクープ・デュ・モンド出場時のトロフィーがあります

お目当てをゲットし、お店を出てきました。

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大学構内のセブンで飲み物を購入し、準備は万全です。

この上が飲食可のスペースになっているので、そちらで食べようと階段を登ると、

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「本日貸切」の文字が!

当てが外れてしまいました。どうしよう。


そうだ、食堂に行きましょう。持ち込み飲食はお行儀がよくありませんが、今の時間なら混んではいないはず。

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食堂はまだ開いていませんでした。ああもう、これだから宇治キャンは!


朝食をサラダだけにしてきたので、お腹はぺこぺこ。仕方がありません。お外でいただきましょう。

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この、食堂裏手にあるテラスには、少々思い入れがあります。

宇治にいた頃の研究室には、みんなでランチに行く慣習がありました。教授が「今日はあったかいからね、外で食べましょう」などとおっしゃった日には、食堂のトレイをこの机に並べ、お昼をいただいたのです。てんとう虫などの訪問を受けながら春の日を浴びてお食事したことは、大切な思い出になっています。

 

二月某日、お天気は曇り。かなり寒くはありますが、やっと落ち着くことができました。

ここからは、ほとんど全ての『たま木亭』のパンを食べたことのある私が選ぶ、おすすめの品々をご紹介いたします。


フォカッチャサンド(えび)

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もっちりとしたベーグルのようなパンに、エビとワカモレを挟んだこちら。

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食べた瞬間、ぶわっと広がるバターの香りと小麦の旨み。塩味の効いたアボカドとエビが、しっとりもちもちの、食べ応えのあるパンによく合います。このアボカドに明太子が混ぜられているのが、旨みを爆発させています。全てのワカモレに明太子を標準装備させてほしい。

たまごカツサンド

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カツサンドとたまごサンドが一つずつ入ったセットです。

こちらのカツサンドは、最後の晩餐に選びたいくらいの大好物。柔らかく肉々しいお肉に、もっちりとして旨みの強い食パン、そして絶妙に美味しい甘めのソースが合わさった、至高の一品です。たまごサンドはオーソドックスなスタイル。


実はこちら、パックを開いた瞬間に「しまった!」と思いました。

いつも両親は『カツサンド』と『たまごサンド』を別々に買ってきてくれるのですが、今日は一人だし、とミックスを買ってみたのです。

すると、『カツサンド』では挟まっているキャベツが無いではありませんか!

どうやら、ミックスのパックに入っているカツサンドは、単体のパックの物と異なり、キャベツが入らないようです。『たま木亭』のカツサンドの真骨頂はあのキャベツにあるのに、これでは美味しさ八掛けぐらいになってしまっています。

キャベツが居なくても、カツサンドとしてずば抜けて私好みなことには変わりませんが、いつもの食べたかったな…。

3種のガレット

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クルミ・チョコ・クランベリーを包み込み、薄く焼かれた甘ーいパン。

『たま木亭』の菓子パンの中で、一番好きなのがこれです。宇治に通っていた頃はよく朝食にしていました。

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断面を見ていただくと分かる通り、「ほとんど具」です。生地は具を繋げるためだけに使われている、というくらい。

この、パン屋さんなのに美味しさ追求したらこうなっちゃった、みたいな妥協の無さが大好きです。


ナッツにチョコにドライフルーツまで入っているこちらは、食べる場所によって、かなり違った味わいになるのが特徴です。甘酸っぱいクランベリー、サクッとしたクルミとガリガリのザラメの食感、甘いチョコレート、噛むほどに感じる小麦の旨み。これらが組み合わさりながら、お味がくるくると変化していくのが楽しく、食べる人を飽きさせません。

山栗ショコラ

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こちらは、いかにも母好みだったため、よくお土産に買って帰っていました。

我が家では『栗鼠殺し』という物騒な呼び名がついています。このクルミを全身に纏った姿でリスをおびき寄せ、その美味しさでショック死させてしまいそう、というのが名前の由来です。

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断面がこちら。容赦ない栗の量。

過剰では、と思えるようなクルミは、このぎっしり詰まった栗と、やはり遠慮なく混ぜ込まれたチョコレートと調和して、驚くほどバランスのとれた仕上がりになります。

ひと口ひと口、甘さと美味しさの密度の高さにクラクラしてくるようなパンです。


今回は一人で食べ切れる量を、ということで、特に好きなものをセレクトしました。まだまだオススメがたくさんありますので、また両親が買ってきてくれた時などにご紹介していければと思います。

 

『たま木亭』は催事やレストラン等への卸しを絶対にしないことで知られていますが、実は東京にも、こちらのパンを買うことのできる場所があります。看板商品クニャーネの専門店、『クニャーネの店』です。有楽町と吉祥寺にございますので、お近くにお住まいの方は、よろしければチェックしてみてください。

kougnane.jp

また、今回の記事にあったセブンイレブンやその上の休憩スペース、食堂などは学外の方も利用可能ですので、参考にしていただければ幸いです。

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ソウル旅行記2 茹でカイコ、美術館、パン屋さん

【2024年2月韓国旅行|目次】
ソウル旅行記1 計画、出発、夜市で晩ごはん
ソウル旅行記2 茹でカイコ、美術館、パン屋さん
ソウル旅行記3 クッキー、人間味のあるロボット、参鶏湯
ソウル旅行記4 朝カフェ、ローカルなお祭りと商店街
ソウル旅行記5 伝統菓子、パンスイス、帰国
ソウル旅行記6 辛ラーメン、蟹ダシダ、首カイロ

 

二日目の朝です。

ローカルコンビニと同じくらい、セブンイレブンをよく見ました

ホテル周辺は、大通り沿いは日本の大都市によく似た都会。少し入ると、台湾が思い出されるような、ノスタルジックなビルが並んでいます。

そして、目に入るのはハングル文字ばかり。これが私には未知の感覚でした。

というのも、これまで訪れた欧米の国では、なんとなくでも読み方や対応する英単語の推測ができましたし、台湾では漢字を見れば大体の意味がわかりました。それがハングルになりますと、読み方も意味も、想像もつかないのです。読めるのは偶に現れるアラビア数字とアルファベットだけ。見慣れた都市の姿でありながら、文字情報を何も受け取ることのできない街には、異世界に迷い込んだような不気味さがあります。

日頃見かける外国人観光客の方々は、こんな不安を抱えながら日本に滞在されているのだと、改めて知ることができました。

 

朝からドーナツ

旅行中は好きなものを食べるぞ!ということで、朝ごはんは韓国式のドーナツにしました。

韓国最大のベーカリーチェーン店『PARIS BAGUETTE』

クァベギ(韓国ドーナツ)とお友達のハムチーズベーグル

クァベギの、表面のじゃりじゃりのお砂糖とシナモンの組み合わせには覚えがあります。記憶を辿りますと、チュロスでした。こちらはもち米粉を使った発酵生地で、もちっふわっとしていますが、原材料はほぼ同じだろうと思います。

ベーグルは甘みがある一方、チーズの塩分は控えめ。あまじょっぱいお菓子のような、意外性のあるお味でした。

 

国立現代美術館 徳寿宮館

李氏朝鮮の宮殿『徳寿宮』の中にある美術館が、本日ひとつめの目的地。

城壁に沿った石畳の道で、虫さんが茹でられていました。

虫かと思ったら虫だったという稀有な体験

虫さん、チィポというぺたんこの干物、芋けんぴの屋台

ぐつぐつと煮立てられていると、なんだか蠢いているように見えます。

こちら、カイコの蛹で作る『ポンテギ』というお料理だそうです。ただ、近年は提供される屋台やお店が減ってきているとか。

自分より若い世代は「キツイ」という感じになり消えつつあります。事実、20年前くらいまでは出店とか屋台で紙コップに入れて売ってましたけど、今は見ないです。まれに居酒屋でおつまみとして売ってることもありますけどそれもソウルらへんだとそんなに見ないので

出典:【ブチギレ】韓国でも「キツイ」と言われている郷土料理『ポンテギ』を食べてみた結果 → 韓国人に怒りすら覚えた | ロケットニュース24

消えゆく文化を見ることができたのは幸運でした。

 

歴史ある石造殿が美術館として利用されています

もう一つ私たちが幸運だったのは、旧正月のため、美術館の入場料が無料だったことです。みなさんよくご存知なのでしょう、現地の方々で大変な賑わいでした。

 

美術館では、張旭鎮(1917〜1990)という方の展覧会が行われていました。韓国の近現代美術を代表するアーティストだそうです。油絵を中心として書画にデッサン、焼き物もあり、かなりのボリュームの展示でした。

生涯を通じて描き続けた、鳥と木のモチーフ

ユーモラスな仏様

面白かったのは書画のコーナーです。韓国文化における仏教を知ることができました。また、街中はハングルばかりですけれど、漢字を読み書きする文化もしっかりあるのだと感じました。

 

ベーカリーカフェでランチ

美術館を出て、ランチのお時間です。近くの、ミシュランビブグルマンに選出されている豚足屋さんに伺いたかったのですが、旧正月でお休みされていました。

予定を変更し、お友達の韓国人のご友人が「すっごく面白かったのでおすすめ!」とおっしゃっていたベーカリーカフェに向かいます。

 

「美味しかった」ではなく「面白かった」とは、どういうことでしょう?

『Hong Cheol Book Bread』

入ろうとすると出迎えてくれる、叫ぶお兄さん

二階は輸入食料品店

なるほど、これは「面白い」お店だ!と納得。

パンとワインのお店です

黒米のバゲットと一番人気のフーガス(オリーブオイルのハードパン)

バゲットには「チョコバター」を添えていただきます。名前の響きから甘いバターを期待しましたら、これが全く甘くありません。強いカカオの風味とバターがあわさった、新感覚のお食事スプレッドなのです。

カリッとした黒米が食感のアクセントに

バゲットとフーガス、どちらも普通に美味しかったのですけれど、ただでさえハードなパンが冷めるにつれ硬度を増していき、顎が非常に疲れる事態となりました。カフェラテの力を借り、なんとか食べ終えました。

お店の前の景色

この辺りの道は、ものすごい坂になっています。道端にゴミが落ちていることを除けば、東京の四ツ谷によく似た風景だと感じます。

 

お友達が「韓国はトイレがキレイでいい」と話していました。彼女が最近訪れたマレーシアや台湾などに比べ、水回りの近代化が進んでいるのだそう。

確かに、昨年訪れた台湾ではトイレットペーパーを流さず、ゴミ箱に捨てないといけないところが多くありましたが、今回訪れたソウルでは恐らく、使用した全てのトイレで紙を流すことが許されていました。ただ、「流さない」文化の名残か、ペーパーが床に捨ててあることが頻繁にあり、「キレイ」とはひと口に言えない状況です。

ここまで日本との繋がりの深さを実感することばかりだったために、「おトイレ事情が日本よりも中華圏に近い」ということには、はっとさせられました。そうですよね、半島とはいえ、ここは大陸の上なのです。

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